他力と自力と

家事と育児に追われるおじさんの、日記代わりの備忘録です

公立中高一貫校の受検、作文練習は一旦中断し一緒に読書をすることにしました

塾無しで公立中高一貫校受検に向けて頑張っている息子ですが、受検まで11か月を切った現時点での最大の課題は、作文です。

ちょっと前に作文って難しいという話題を書かせていただいたのですが、

 

tarijiri.hatenablog.com

 

毎日ちょっとずつ取り組んでいるものの成果が出ておらず、本人に自信を付けさせてあげることもできていません。

 

公立中高一貫校の作文は、作文というよりは小論文のようなもので、感想ではなく自分の考えや意見を書くものになります。

そしてその自分の考えや意見を論理的に、つまりは読者が納得するような理由を後ろ盾にして論じなければいけません。

そのうえで、問題文から要点を把握できる読解力が必要な上、設問の条件に合わせて論文を構造的に組み立て、できればかしこい言い回しや語彙を組み込みながら丁寧な字で短時間で書ききらなければならないのです。

 

お題に対して自分なりの考えとその理由を持ちそれを条件に沿って表現するという、なんというか人間としての成熟が必要な科目なのですね。

 

息子はこの最初の自分の考えや意見を持つところ、これができていないのです。

もちろんそれ以外の部分も苦手なままですが、とにかく自分の意見が持てないことで作文を書くことができません。なのでその先の書くところまで入れないのです。

 

例えば、「あなた自身が他社と接する際に大切だと思うことは何ですか。」「筆者の行ったこと以外で一つ挙げ、あなたの経験を踏まえて400字以内でかきなさい。」という問題があったとして、もう前者の質問の段階で何も思いつかないのです。

 

これまで、いろいろと試してきました。

例えば作文の問題集に取り組ませて、書けない場合は例文を書き写させる。

一緒に課題を考えて、自分の意見を纏める手順を教える。

ニュースや新聞を読ませて考えさせる。

「どうしてそうなの?」という質問を投げかけて考えさせる。などなど。

 

こういったことをしても、まるで彼の中に何も蓄積されないかのように、新しい問題に取り組ませると手が動かず、前に一度取り組んだ問題もすっかり抜けている感じ。

まったく進歩できていないうえ、本人はどんどんと自信を失っている。

非常に大きな課題となっています。

 

なぜ自分の考えが持てないのか。

私は大きく二つあるように感じています。

 

ひとつは、彼の中にあるものが整理されておらず、必要な時にそれに即したものを思い出せないこと。

ふたつは、彼の頭の中がまだまだ幼いためということです。

 

ひとつめに関しては、私と一緒に問題に取り組むなかで私が良い質問ができたりすると、ポロっと自分の体験や考えが出てくることがあります。

なのでその回数を増やしてあげたいと思って取り組んできたのですが、何も答えられず泣きっ面になることが大半であるため、なかなかうまく行っていません。

 

もう一つの彼の幼さに関して、私はこちらの方がより悪いと感じているのですが、中学受検をするにはまだあまりにも考え方が幼過ぎるのかもと感じています。

小学校の道徳で習うような善悪に関してのことは判断できますが、それ以上の問題に関しては、それをどう受け止めてどう考えるかという引っかかりができるだけの経験や知識が不足しており、それを思考として整理して纏めるような場所がまだできていないように感じるのです。

 

例えば一緒に本文を読んで「これについてどう思った?」と質問した時の回答が、彼の感想のみだったり、道徳の善悪レベルの回答止まりすることが多々あります。

親として色々な経験をさせてあげられなかったことが良くなかったのでしょう・・。

 

ただ悲観はしていません。なぜならこの中学受検は彼にとっての成長が目的ですから。

今から身につけたい良い目標ができた、と考えました。

ということで一回作文練習は中断し、彼自身の内面の成熟を促すような取り組みを導入してみました。

 

コロナ禍で色々な経験をさせてあげることができないので、まずは読書をして視野を広げることを一緒に取り組んでいこうということになりました。 

最初に選んだのがこちらの本。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
 

息子さんの中学校での出来事を通して、多様性というものの実態と難しさを扱っているノンフィクションなのですが、ブレイディみかこさんのユーモアのある文体で書かれて軽く楽しく読めそうです。

綺麗事だけではない現実の話であり社会問題の話がそのベースとなるわけですが、それを学校という息子にとっても身近な話で読みやすく語ってくださっているので、一度は子供に読んでみて欲しいなと思っていた本でした。

 

難しい言葉が沢山出てきますが、今回は読書を通じて視野を広げたり考えを深めたりすることが目的なので、語彙をひとつひとつ調べさせることはせずにドンドン私に聞いてねと言っています。

 

1日1章を読ませて、その後何を感じどう考えたかを私と話合います。

私自身にも勉強になることが多いので、一緒に楽しんで続けられるといいかなと思っています。

とりあえず作文の時間を使っての取組みは3冊程度の本を読むまで、としてみたいと考えています。

 

作文を書く時間を無くしてしまうのは不安もあるのですが、視野が広がった彼の方が今後の勉強も楽しめるとおもいますし、成長曲線も高くなると期待してやってみます。

ある程度かけるようになってきたら一つ目の課題である整理させる材料も彼の中にできてくるのではないでしょうか。

 

それと同時に、この時間を利用して私自身も作文についての勉強をやり直し、もっと上手くサポートできるように準備したいと思います。 

作文練習を再開するときが楽しみです。