4月から6年生となる長男は、塾無しで公立中高一貫校を目指して勉強を頑張っています。
とても難しいチャレンジに親である私の焦る気持ちが募り、子供にイライラをぶつけてしまうこともありました。合格するためには厳しさも必要と思いながらも、本当にこれでいいのかと自問し、親としてダメダメな自分に嫌気が差していました。
なのですが最近、とある考え方の変化からこの気持ちからだいぶ解放されることができたのです。
私自身とても楽になったので、もし同じように思い悩んでいる親御さんの参考になればいいなと今回のエントリを書いてみます。
公立中高一貫校の難しさ
息子本人を始め、我々親もいろいろと頑張りながら合格を目指して日々取り組んでいるわけですが、正直、実際に合格できるのかはやってみないとわからないというのが本音です。
それぐらい、難しいことにチャレンジしているという認識でいます。
公立中高一貫校の難しさというのは、いろいろな要因があるんです。
最大の障壁は、適性検査はたった1回しか行われないこと。私立では同じ学校で何回か試験がありますが、公立校は一回しか機会が設けられていないのです。
もしたまたまその日に体調を崩してしまったら?コロナに罹ってしまっていたら?インフルエンザに罹ってたら。家族が発熱していたら?たった一回の検査もチャレンジすることなく終わってしまうかもしれないのです。
受検することができたとしても、適性検査はとても難しい。
我が家のような塾無しでは、情報が少ないというのが本音です。私立型の学習については需要が多いこともありネットや書籍で情報を得られることも多いのですが、公立中高一貫校は全体に対する受験者数が少ないこともあって、情報を発信してくれている媒体も少ないと感じます。
準備が正しいのか。どれだけやれば合格の可能性が上がるのか。準備も過去問からの手探りになっています。
そのうえ倍率も非常に高く、問題も予想がしづらいもの。
志望校の過去問は10年以上見ていますが、例えば作文一つとっても傾向がコロコロと変わっています。本番で焦る気持ちでちょっと鉛筆が止まってしまったら、何も書けないままに終わってしまう可能性もあります。
そもそも、中学受験は難しい
公立中高一貫校のみならず、中学受験そのものの難しさも感じています。
最大のものは、わずか11歳~12歳という短い時期に一発で勝負が決まってしまうということ。
お子さまによって、頭や精神面の発達時期は違うと思います。そういう時期を迎える前に試験期になることもあり得るわけですね。
月齢も有利不利がありますよね。言い訳にするわけではないですが、長男は3月下旬産まれ。体験したことの豊かさが大事な検査だと感じるのですが、1年分の時間の違いは成長面のみならず経験値としても差が出てしまうと思うのです。
目標が切り替わったこと
この難しさをどう克服するのか。
自分の力が足りないばっかりに、あるいは経済力がないばかりに、こんなに頑張っている長男に結果を出させてあげられないかもしれない。
答えが見えないまま、私は息子が受検勉強を始めて以来ずっとこんなことを考えては勝手に焦り、広い範囲を詰め込もうとしすぎてしまい、長男の拙さにイライラし、それでも合格のためにさらに厳しく当たってしまっていたのです。
子供を可愛いと思う気持ちと、頑張りが不足しているように感じてイライラする気持ちを抱えて、自分の親としての、大人としての器の小ささに落ち込むような日々でした。
なのですが。
最近ようやく気付けたことがあります。
中学受験への取り組みが、それそのものが彼にとって既に十分にプラスになっているということです。
それは算数で難しい問題が解けるようになったとか、3.14の掛け算を暗記したとかそういう話だけではありません。
勉強の習慣がついたこと。
自分で調べられるようになったこと。
ものごとの本質に目を向ける練習ができること。
学校の授業を真剣に聴けるようになったこと。
社会の問題を知り、興味を持つことができたこと。
”やればできるようになる”という効力感を得られたこと。
親の私ですらおざなりになっているような、こんな大切なことを学べているのです。
これは仮に不合格だったとしても、失うものではありません。
来年どの中学校に進学しているかは分かりませんが、これらのことを身につけながら小学校を卒業できたならば、彼は親の手も必要とせずに中学高校生活を楽しめるのではないでしょうか。
非常に難しいであろう、たった一度のチャンスにかけた合格を目指すことのみに執着するのでなく、彼の成長こそを喜びにできるのであれば、それこそを中学受験の成功という価値観が持てたら、きっと私たちでも成功させることができる。そう考えたのです。
これから目指すこと
合格のみに執着しなくなってから、明らかに私のイライラは減りました。
息子を叱る回数も減りました。
彼のために家族のために、本当に良かったと思います。
これを受けて、妻とこれからの勉強についてのテーマを決めました。
それは受検勉強を通じて、息子がワクワクしながら学べるように、彼の知的好奇心を育むことを目指そうということです。
彼自身が興味を持てる物に出会った時に力になるように。
その先にはもちろん合格を目指すわけですが、受検という取り組みのベースを合格のみに限定せずに済んだのは、よい気付きであったと感じています。
彼は既に毎日頑張って成長して、たくさんのものを得ているのですから。
受検が終わった時に、合格不合格にかかわらずやって良かったと家族で思えるような一年にしたいと思います。
もし中学受験をされる親御さんのなかで、高い結果を求めてどうしてもイライラしてしまうことがある方は、よければ参考にしてみてください。
最後に、私の気づきにつながった書籍をご紹介いたします。
受験を外から詳しくご存知のおおたとしまささんと、中からご経験豊富な京子先生こと安浪京子先生の対談と交互にご意見を書かれている書籍。
読みやすいし分かりやすいし、本当に大切なことは何か、気付かせてくれました。
ちょっと前にご紹介した、鳥居りんこさんの書籍です。
我が家のこれからの目標の参考になりました。
こちらも以前に紹介したことがあります。
ちょっと古くて、しかも中学受験ではなくサッカーの育成の話なのですが、子供を育てるという観点では中学受験もサッカーも全く一緒です。
親が教えることではなく、本人が好きになって頑張ることが大切、ということを教えてくれました。
池上正さんの著書はとても参考になりました。
まだまだ、書籍の通りには全くいかないのですけどね・・。