他力と自力と

家事と育児に追われるおじさんの、日記代わりの備忘録です

2022年現在の、EOS-1DX Mark2メリット・デメリットをまとめました

2016年に発売、当時CanonさんのフラッグシップカメラであったEOS-1DX Mark2。

当時は最先端の機能と圧倒的な性能をひっさげて、プロが使うカメラとして超高額ながらも鳴り物入りで発売された期待のカメラでした。

 

私も当時、子供たちのきれいな写真を残したいと、清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入しました。

EOS-1DX Mark2

 

たくさんのカワイイ子供たちの写真と思い出を残してくれましたが、それから6年という月日が流れ・・私のメインのカメラはEOS R6に移行していました。

このEOS R6、私の用途にとっては完璧ともいえるカメラで、大変お気に入りです。

(レビューを書きましたので、よろしければこちらも)

EOS R6を使って1年、大満足の使用レビュー

 

普段R6という便利なカメラを使っていると、1DX2は(私の用途では)使いづらいカメラになってしまった・・という印象は否めません。

ただ中古の値段も十分に手が届くものになっていると思いますので、1DX2の購入を検討されている方も多いでしょう。

 

今回は発売当時から1DX2をメインで使ってきた私の目線から、2022年6月現在にこのカメラがどのように写っているのか、メリット・デメリットをまとめてみました。

ぜひ参考になさってください。

 

EOS-1DX Mark2のスペック

まずは、スペックの一覧を纏めてみました。

ペンタプリズム」って久しぶりに書きましたよ・・。

 

レンズマウント キヤノンEFマウント
有効画素数 約2020万画素
シャッタースピード 1/8000~30秒
バルブ、ストロボ同調最高シャッター速度 1/250秒
連続撮影速度 最高約14.0コマ/秒
ライブビュー撮影時 最高約16.0コマ/秒
感度 ISO 100~51200 + 拡張
輝度範囲 EV -3~18
ファインダー方式 ペンタプリズム
視野率 上下/左右とも約100%
ファインダー倍率 約0.76倍
フォーカスエリア 最大61点(クロス測距点:最大41点)
ダブルスロット CFカード/ CFastカード
動画記録画像形式 MOV、MP4
動画記録画素数 4K(4096×2160)、Full HD(1920×1080)
入出力端子 デジタル端子 :SuperSpeed USB(USB3.0
バッテリー バッテリーパック LP-E19/LP-E4N/LP-E4、1個
外形・寸法 約158.0(幅)×167.6(高さ)×82.6(奥行)mm
質量(重さ) 約1530g(CIPAガイドラインによる)/約1340g(本体のみ)

 

では、メリット・デメリットをまとめてみます。

まずはデメリットから。

 

EOS-1DX Mark2に感じるデメリット

メディアがマイナーであること

メディアとは、カメラに搭載して撮影したデータを記録するもの。

今でいうとSDカードやCFexpressが主流なのですが、1DX2はCFastとCFカードの2種類なのです。

CFカードもかなり古くなってしまいましたが、問題はCFastのほう。非常にマイナーで、いつ無くなってしまうのか・・。

カメラが動いても、メディアに記録できないと意味ないですもんね。

 

カードリーダーもずっと同じものを使い続けていますが、壊れてしまったらもう入手できないかも・・?と不安があります。

私が使っているのは、これです。が、いまは販売されていないようで・・。

 

※後述しますが、調べたところ、いまだにメジャーなメーカーからCFastカードもカードリーダーも発売されているようです!

これならもうしばらくは安心かも!

 

USB充電ができない

今時の機種と違い、 USB 充電ができないのも不便です。
バッテリーパック EP-19自体は現行のEOS R3でも使用されているものですが、 USBを挿すだけでの充電ができないため、こちらのばかでかい充電器を使って毎回充電しなければいけません。

LC-E19


USB充電の便利さに慣れた体には、毎回本体からバッテリーを抜き出してこの大きな充電器を出して充電するという手間が、とてもめんどくさく感じます。 

 

単体でWifi接続ができない

ボディ単体でWI-FI接続ができないのも、とっても不便です。

写真データを使う場合、基本的には「PCなどに読み込んでから」になり、今では当たり前のスマホ連携ができません。

私の場合、息子のサッカーの試合で撮影した写真を他の親御さんにすぐにスマホ上で送ってあげたいのですが、それができないのが残念。

いい写真が撮れても、その場でSNSにあげることもできません。

軽快にスマホ連携するためのカメラでは無いかもしれませんが、スマホ接続は今では当たり前の機能なので、使えた方が嬉しいですよね。

 

便利なAF機能が使えない

人によってはこれが致命的になるかもしれません。一眼レフ機であるため、最近のミラーレス特有の便利な AF 機能が使えません。

例えば人間や動物、鳥などの瞳AF、車や電車などの動きものを認識して合わせてくれる AFなど、今では当たり前の機能が使えないのです。

私のように子供の写真を撮る場合、瞳AF機能があるEOS R6では、カメラの側で子供の目を検出してピント合わせてくれます。なので撮影の際は構図や表情に意識をしてシャッターを切るだけで良いのですが、1 DX Mark 2の場合は目のところにフォーカスポイントを移動させるか、目にピントを合わせた後にカメラを動かして構図を作るか、そのような手間がかかります。

瞳AFがあれば、ピントがずれた写真を撮る方が難しいぐらいに便利なものなので、そういった点でも不便さは否めません。

 

4Kでmp4動画が撮影できない

4Kでの動画撮影は、記録形式がMOVしか選べません。MOVの動画は非常に重く一般の気軽にユーザーが使える動画形式ではありません。

mp4などの軽い4K動画が撮れないのです。

発売当時の2016年と違い、4K撮影が当たり前になりました。4K動画の撮影が気楽にできないため、このカメラでは子供達をキレイな動画で残せないのです。

Full HDであれば問題なのですが、今となっては不便だなと感じます。

 

電子シャッターが無い

一眼レフなので電子シャッターが使えないというのもとても不便です。

電子シャッターは半分動画のように、秒速30コマなどの高速連写撮影ができます。シャッター速度も1DX2が1/8000秒止まりなのに対して、EOS R3の電子シャッターは1/64000秒まで設定が可能。

 

私の場合1/8000秒で困ったことはないのですが、実は電子シャッターが切れないことで本当に困ったことがあります。

それは子供たちのサッカーを撮影している時のこと。今時のカメラに比べてシャッター音がとても大きいため、学校で写真などによる個人情報流出の危険性を学んでいる子供たちが一瞬警戒したのです。

いつも写真を撮ってる人だし、もちろんその後に「お父さんお母さんにしか見えないところに置く写真だよ」と説明して納得してもらえたのですが、やはり警戒させるのはかわいそうなのでその後1DX2 を使って子供たちのサッカーを撮ることはできなくなってしまいました。

電子シャッターであれば音を消せるので、そのようなことはなかったのですが。 

 

以上が、1DX Mark2というカメラを2022年に使った時に感じる不便さです。正直、時代に合わなくなっている点も多く、不便さは否めません。
ではなぜ手放さないのかと言うと・・もちろん道具としての思い入れがあるという他に、今時のカメラよりも使いやすい所があるのです。

ミラーレスカメラ全盛の今でも1DX Mark2が通用する良い点についてもお伝えします。

 

2022年でも感じる、EOS-1DX Mark2のすばらしさ

シャッターを切る気持ち良さ

メリットの第1項目が「持ち良さ」という気分的なものであるのは、ちょっと残念に聞こえるかもしれませんが、圧倒的にキレの良い一眼レフ、シャッターを切っていて本当に気持ちがいいです。

この気持ち良さは、なにより1DX Mark2のレスポンスの良さがもたらしてくれます。
「今この瞬間の写真!」を狙って、 自分の意思にシャッターが付いて来てくれる感覚があるのです。


EOS R6もミラーレスながらレスポンスも十分に良くて、子供のサッカーでも十分に使えているほどなのですが、1DX2に比べると次のような感覚。

  1. シャッターボタンを押すことでカメラに撮影を命令
  2. カメラがその命令を受けて写真を撮る

カメラにシャッターを切らせるような、ほんの一瞬何を感じてしまうのですが、1DX2は 自分の意思で瞬間が撮れる、圧倒的なレスポンスの良さと気持ちよさがあるのです。

一眼レフという機構であるため、物理的に切れるシャッターの駆動や音もGood。ザクザクと写真を切っていく感覚は、ミラーレスでは感じられない快適さだと思います。

 

電池持ちに不安が無い

EOS R6で長時間撮影をする場合、電池の持ちを意識させられることが多いです。そのため移動中には電源をOFFにして、被写体を見つけたら電源オンをするように、電源のオンオフを繰り返す必要があります。

いっぽうの1DX2は、しっかり充電さえしてくれれば 丸一日撮影しても充電が無くなったことはありません。一眼レフは操作をしていない時に使う電力も少ないので、基本的にはつけっぱなしでOK。

例えば野鳥撮影をしている時に、探鳥中にも電源はそのままにしていて、野鳥を見つけた時にすぐに撮影ができるのです。

いちど電源をオンにして撮影、撮影が終わったらまたオフにするような手間が不要である分、探鳥や撮影に集中できるのもR6と比較して感じる点です。

電池のことを気にしてオンオフを繰り返さなくて良いこと。これもメリットの一つかなと感じます

 

光学ファインダーの気持ち良さ

今時は電子ビューファインダー(EVF)もとても綺麗に写るため、光学ファインダーと比較したデメリットは全く感じません。むしろ前述のように、EVFには便利な機能がたくさんあるのでむしろ光学ファインダーを選ぶ理由は無いと言ってもよいほど。

ですが EOS R6のファインダーに慣れた目で1DX2のファインダーを覗いたときに、広く大きな光学ファインダーの気持ち良さを毎回のように感じるのです。
EOS R6のEVFで不便を感じたことは、全くないんですよ。いつも綺麗で見やすいファインダーだと思って使っています。それでも広い光学ファインダーは 、EVFに慣れたからこその懐かしさを感じるのか、はたまた実際に見え方が違うのかわからないのですが、確実に私は光学ファインダーの方が好きです。

特に、たまらなく好きなのが望遠レンズを使ってピント合わせた瞬間。主体の背後がふわっとボケて滑らかになる刹那、たまらなく気持ちが良いのです。

光学ファインダーの気持ちよさ、これはミラーレスでは味わえない1DX Mark2の大きな魅力だと思います。

 

まとめ

今回、改めて1DX2というカメラの立ち位置を確認して、「正直やはり不便だな」とは感じました(笑)。

2022年に当たり前になっている機能がこれだけ足りないと、日々の使い勝手は良くないです。カメラもこの5年でちゃんと進化してるんですね。

 

大きくて場所をとるし、気軽に持ち出せないし、シャッター音が大きくて人がたくさんいる場所では使いづらいし。

スナップなどに使いやすい、軽量で当たり前の機能を備えているカメラに買い換えたいと思う気持ちもあります。

 

でもこのカメラは、メリットとデメリットの数で比較して、デメリットの方が多いから手放す、そんな判断をするカメラではありません。

シャッターを切る瞬間、移動中に電池のことを気にせずに周囲に集中できる時間、ファインダーの気持ちよさ。これらは定量的には表せないけれども、間違いなくフラッグシップ一眼レフとして、今でも最高峰だと感じます。

「撮影する気持ちよさ」。これもカメラの重要な魅力ですよね。。

 

もし中古で購入をご検討されている方は少なくとも2022年現在で便利なカメラではないこと、だけどがっつりと握りこんで、瞬間を撮影するような快感は味わえるかもしれないカメラであること。

その辺りを考えて一度お手に触れてみてはどうでしょうか。

 

私が使っているCFastはこのシリーズです。

 

調べてみたら、ちゃんとメジャーなメーカーでCFastのカードリーダーがありました!

これならしばらく安心です。

 

SDカードと併用できるものもありました。個人的には、これは便利!