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他力と自力と

育児に追われるおじさんの、日記代わりの備忘録です

「SING シング」 感想 ネタバレ

映画感想

音楽映画なのに、吹き替え版も素晴らしい映画でした!

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監督:ガース・ジェニングス

2016年:米国

 

※以下ネタバレありなので、ご注意ください。

 

長男の春休みの小学校1年生最後の日、有休をとって長男と二人で映画を見てきました。

長男と男同士、初めての鑑賞であったということで、忘備録として感想を纏めておきたいと思います。

 

トレイラーとあらすじ


Sing TRAILER 1 (2016) - Scarlett Johansson, Matthew McConaughey Animated Movie HD

 

倒産寸前の劇場の支配人のバスター・ムーンは、起死回生の策として賞金をかけた歌のコンテストを企画する。募集チラシに賞金額を間違って印刷してしまったため多くのオーディション参加者が集まった。

賞金の目途すら立たないまま行われたオーディションで参加メンバーは決まったが、それぞれが問題を抱えて十分な練習ができない状態。

それでもムーンは前向きにコンテスト実行に向けて奔走するが・・。 

 

小1対策

私はできるだけ予告編などを観ずに予備知識ゼロで観たいのですが、登場人物を見ているとちょっと子供には難しそうかな、と感じました。そこで長男のために、キャラクターを見慣れさせたり、映画の見所も把握させてあげようと考えて何本もの予告編を一緒に見ていました。

とはいえ108分もの映画。大人にとってはちょうど良いぐらいかもしれませんが、子供にとっては長すぎます。途中で出てくることも覚悟のうえで鑑賞しました。。

 

また、私はできるだけ字幕版で観たいのですが、もちろん今回は吹き替え版の鑑賞です。

 

動物たちの群像劇

映画はそれぞれに葛藤を抱えた動物たちの物語が描かれる、群像劇でした。

主人公に当たるのが、劇場支配人のバスター・ムーン(コアラ)。父の作ってくれた劇場を経営していますが、経営的には絶望的な状況。

主婦のロジータ(豚)は25人もの子供と家事に追われるだけの毎日。夫も仕事が忙しそうで話も聞いてもらえません。

ギャングのボスの息子のジョニー(ゴリラ)は犯罪を手伝わされていますが、本当は歌が好きでバラードを歌っています。

アッシュ(ハリネズミ)は自信過剰でアッシュを舐めている彼氏に気を使い、自分の音楽を表現できずにいます。

そして圧倒的な歌唱力を持つものの自信が持てず自己表現ができないミーナ(象)。その実力を知る家族の期待に応えられないことも彼女を苦しめています。

 

そんな彼らが、失いかけた自分を取り戻し、劇場で発露するまでを描く物語です。

王道的な群像劇だと思います。

 

音楽の力

この映画では、洋楽を知らない人でも聞いたことがある曲からオリジナルまで、そしてオペラからR&Bからロックまで沢山の音楽が流れます。

これがCGの愛くるしさと相まって本当に上がるんですね!

そして曲とストーリーとリンクしているのがまた上手くて。

 

私はこの映画で散々泣かされたのですが、よくわからない音楽の力で持っていかれたのが大きかったと思います。

 

日本語版の素晴らしさ

今回は吹き替え版の鑑賞だったのですが、まずその丁寧な作りに驚かされました。

 

この映画の最大の特徴である歌ですが、アニメの口の動きは英語版には当然合わないわけですが、この日本語訳が驚きでした。意味を合わせるのは当然としても、その中でできるだけ英語の口の動きに合わせた日本語を選んで当てているんですね。口を大きく開けているシーンでは、日本語でも大きく開ける言葉を歌っていることになり、違和感がが無いのです。

歌詞がこんなに丁寧に作られている時点で、応援しながら見てしまいました。

 

物語の中では「感動させられるほどの圧倒的な歌唱力」とか「クズ野郎だけど歌のうまさはやっぱり本物」などの、歌唱による表現が必要だったと思うのですが、それも日本人の歌い手の皆さんのスキルで見事にあらわされていました。

各キャラクターの声優さんに関しては是非こちらでご覧ください。

 

主要キャラに本職の声優さんは少なかったようですが、私は全く気になりませんでした。配役も良かったのだと思います。

 

不意を突かれた点

バスター・ムーンは劇場の支配人として、刻々と悪化する状況に大してポジティブに前向きに対処しようとします。ただこの行動や状況への感受性の低さが狂人レベル!よくあるギャグ映画の典型的なキャラクターではあるものの、その対象が経営という現実的なものであるため反感を買うことも多いかと思います。

 

ですが、これは洗車の仕事で自分のために劇場を作ってくれた大好きな父親の、「怖がっちゃいけない」という言葉を頑なに実行してきたから、ことが分かります。

その証拠に劇場が崩壊したときに、ついに彼の心が折れて自分がいかにダメかということを口に出すようになっていました。

 

でもこの言葉を人前で歌えないミーナにも伝えていたことで、まわりまわって自分に届いて、素晴らしいステージを自分の手で再建するのです。

 

このエピソードは不意を突かれてしまいました。

 

洗車シーン

これだけは書きたかった。予告編にはミスリードがあります。

例のコアラの洗車シーン(こちらの吹き替え版の予告で観られます)、

www.youtube.com

これだけでも笑ってしまうシーンだったわけですが、映画を見ると全く違う印象のシーンでした。

どん底の男が必死にもがき始める、そしてそれに仲間も呼応してくれる、最強の号泣シーンだったのです!

 

こちらも不意を突かれて、重くてでも楽しくて心地よい涙がドバーッと。

このシーンをみるだけでもこの映画を観る価値があると思います!

 

掘り下げ不足

ここまで絶賛してきましたが、正直108分の群像劇では掘り下げ不足に感じるところも多々ありました。

・ゴリラのジョニーの父親の心変わりって簡単すぎね?

・グンターさんには背景なし

・イカのみなさん亡くなったよね?

・そもそも、なんでみんな圧倒的なスキルを既に持っていたの?

・バスター・ムーンも才能を観つける目を持っていたのに、なんでこのありさま?

などなど。

あと、ネズミが最後までクズであるのに明確な報いを受けていないところも、物足りなくなる感じるかもしれません。

 

ただ、こういう点を割り切って観れる方であれば、楽しめると思います!

 

不思議な感動

私はこの映画を観て、もう散々泣きました。首のあたりまで涙は流れ、見終わったとは目が真っ赤。

 

でも嗚咽っていう感じではなかったんですよね。隣に子供がいるので声を殺したのは先の洗車シーンぐらいのもので、あとはよくわからない感動によって泣かされました。

 

先に書いたような音楽の力もあれば、もちろん立場のある大人だから感じる葛藤を乗り越えるようなわかりやすい感動要素はあります。でも私は、いずれもこのコメディや世界観の楽しさを最前面で感じることができたのかもしれません。

この映画を観ている時間、とても楽しかったのです。

 

まとめ

私は笑いながら涙を流すという個人的には最高の経験をさせてもらいました。

でも、長男にはちょっと難しすぎたようです。楽しかったとは言ってくれましたが、ちょっと集中力が無くなっていたり私のように涙は流していなかったようです。ただ私としては、先日家族全員で行ったドラえもん映画よりは、長男と二人きりということで映画をより集中して楽しむことができました。

また好きな映画を観られる機会も増えそうです。

 

音楽やアニメを楽しめる年代の子供はもちろん、日々を忙しく生きている大人まで楽しめる映画だと思います!