映画史に燦然と輝く名作!ですが、私にとっては初見でした。
1976年 米国
監督:マーティン・スコセッシ
映画は全く詳しくないのですが、好きでたまに観ています。
映画館にはなかなか行けないので、レンタルDVDでの鑑賞が主になります。
どんな映画を見たか、すぐ忘れてしまうので、備忘のための感想駄文です。
※以下ネタバレありなので、ご注意ください。
こんな名作に今更感想も何もないのですが、僭越ながら備忘のために一応書き残させていただきます。
不眠症のトラヴィスは夜間タクシードライバーとして働きながら、やがて腐敗した人間への怒り、むなしさや孤独から徐々に精神を病んでいきます。そしてやがて・・という大枠だけは知っていました。
本作品は名作ゆえに、フォロワーとなった映画は沢山あると思います。そして私はそのフォロワー作品を先に観てしまっていたので、残念ながらどうにもトラヴィスのキャラが典型的すぎて見えてしまったんですね。今ごろになって観る私が悪いのですが、これは残念でした。
さらに後から調べてみると、彼がベトナム帰還兵であるということが、彼の精神に大きな影響を与えているようでした。当時本当にトラヴィスに共感した人は多かったかもしれません。なのですが、時代が経た今から見ると、そのあたりの苦悩までは思いいたらず、彼の魅力も私が汲み取り切れていなかったようです。
それにしても若き日のロバート・デ・ニーロはカッコイイですが、狂気を孕んだ人間が一方的に好きになった相手に正面からアタックして、あっけなくデートに成功してしまうのはちょっと驚きました。その後の映画でポルノに行ってしまうのはまた極端ですね。
彼女に振られた後、彼は風俗で働かされている少女を救えなかったことを、忘れられないでいます。その時に受け取ったボロボロのチップも使えないまま。偶然その少女の職場を見つけて、食事に呼び出して説教をするシーンには、彼の正義感が垣間見えます。この少女役が若き日のジョディ・フォスターなのですが、本当に可愛い!
後に彼は一人銃を買って武装し、身体を鍛えます。その際鏡に向かって「You talkin' to me?」とカッコつけたりするのですが、このセリフは有名ですね。私はやはりフォロワーの「キックアス」を思い出しました。このある種粋がったシーンは全世界の男子がみな厨房時代に経験した赤面体験でしょう。この辺りのトラヴィスの行動は感情移入できました。
ここから最終的なネタバレです。
最後に彼がモヒカンになって思いを遂げるシーン、私は「悪の教典」のような殺戮シーンになるのかと思っていたのですが、大統領暗殺にはあっけなく失敗し、ポン引き達と撃ち合いしたあげく生き残ってヒーローになってしまうという、驚きの結末でした。彼の魂は少しは救われたのでしょうか。
ジャジーな音楽がカッコよく、全体的にけだるい70年代のNY感があって、ルックが非常に魅力的でした。これだけ名作と誉れの高い作品、たかだか一度観ただけでは私が魅力を掴み切れていないのだと思います。もう一度は観てみようと思います。