他力と自力と

家事と育児に追われるおじさんの、日記代わりの備忘録です

「オール・ユー・ニード・イズ・キル」 感想 ネタバレ

色々と斬新!

 

2014年 米国

監督:ダグ・リーマン

映画は全く詳しくないのですが、好きでたまに観ています。

映画館にはなかなか行けないので、レンタルDVDでの鑑賞が主になります。

どんな映画を見たか、すぐ忘れてしまうので、備忘のための感想駄文です。

 

※以下ネタバレありなので、ご注意ください。

 
 

舐めてましたが色々と斬新でとても面白かったです。観て良かった!

 

カッコ悪いトム・クルーズ

映画の主人公はトム・クルーズです。ということはストーリーの顛末はほぼ見えます。つまりヒーローたるトム・クルーズが活躍して世界を救う話であると、そういう心の準備をしていたのですが、最初に出てきたトム・クルーズがこれまでの感じと違うんです。軽薄で口八丁と笑顔で戦場に行くのから逃れようとするタイプで、トム・クルーズは「あの」笑顔で屁理屈をこねるのですが、相手をするブリガム将軍はニコリともせず土俵に乗ってこないシーンがあったり。そして怒りを買って最前線に送り込まれるのですが、パワードスーツを着た軍隊で移動中も、ヘコヘコヘコと逃げ出そうとしてはつれもどされるかっこ悪さ。

一言で言うとカッコ悪いのです。「あの」トムがカッコ悪いというのが斬新に感じました。

 

死にゲーというスタイル

映画は地球がギタイという宇宙生物の侵略を受け、ギタイの強力な武力に人類の危機を迎えているところで始まります。人類は絶望的な状況になりましたが機動スーツというパワードスーツを開発し、これによって対抗できるようになります。そしてヨーロッパでの大殲滅作戦を敢行します。ところがその作戦がばれていて、戦場に向かう途中に奇襲を受けて全滅してしまいます。

トム・クルーズ演じるケイジ少佐は地位を剥奪され、ほうほうの体でこの戦線の部隊に送り込まれるのですが、翌日には機動スーツの使い方も知らないうちに戦場に連行されることになります。そして移動中の飛行船ごと襲われ、何とか脱出したもののそこは戦場の真っ只中。なんとか銃の安全装置の外し方を覚えましたが、地雷を使ったところ相手と相打ちになり死んでしまいます。

ところがその次の瞬間、部隊に送り込まれた場面に戻るのです。死ぬまでの記憶を残したまま。ある原因によってケイジ少佐は死ぬ度にその前日にもどされる能力を身につけたのです。記憶が残っているのでこれから向かう戦場で何がどこで起きるのかが、死んだところまではわかります。そこで、「ここでどうすればこの攻撃を回避できる」とか、「ここにいけばこの人を助けられる」といったように少しずつ死にながら覚えて進んでいくのです。

これを映像としてみると新鮮で面白かったのですね。ファミコンでは何度もやっていたことですが。

 

テンポの良さ

死ぬ→次のパターンを試すというループの繰り返しですが、これを非常にテンポよく見せてくれます。毎回同じ場面は省いたり、見せること見せないことの出し入れをすることで、ケイジ少佐がおこなった「今回の工夫」というのが強調されるし、その積み重ねの中で彼が成長しているのも感じられます。当初ヘタレであったケイジ少佐は繰り返しの中で見事な戦士へと変貌します。

 

見せる見せないの妙

ケイジにはヒロインであるリタという味方ができます。彼女もかつてタイムループを能力を得てギタイと立ち向かったものの、ある時死にきれず輸血を受けたことでその能力を失ってしまったのです。そのため先を読んで行動するケイジの能力に気づき、共に戦おうとします。

どうやらタイムループによって人間の攻撃を察知していたのはギタイ側もそうであり、そのために攻撃を読んで奇襲をかけてきたようです。そして死にゲーを重ねた結果、あの戦場で勝ったとしても無意味であり、その根本の原因であるオメガというボスを倒さなくてはならない、二人でオメガを倒すという話になります。その途中、何度もリタを失っているケイジはどうやらリタを愛してしまいます。

そこでこの見せる見せないが活きてくるのですが、観客はずっとケイジ目線で体験を追っています。なので、はしょられたところは繰り返しの部分で、新しい場面が映るというのはケイジ自身が初めて体験しているパターンと思って見ています。なのにある時、初めて訪れた小屋で急にケイジが消極的になります。リタの提案をことごとく否定するのです。実はどのパターンも既に試していて、このままオメガ討伐を続けるうえでリタが死んでしまうのを避ける方法がみつからなかったのです。リタを愛してしまったがため、その場でリタを戦いから降ろそうとしたためそのような態度であったのでした。

これはループの見方に慣れていたところの裏を突かれ、まさに一本取られたような心地よさを感じました。

 

いまいちな点

映画はポンポンとループを繰り返しつつ様々なトライをする前半は面白かったのですが、ケイジが怪我をしてしまい気を失っている内に輸血を受けることでループの能力を失い、オメガとの一発勝負になった辺りから急にテンポが悪くなった気が・・。

またタイムリープものには突っ込みどころが多いのはしかたないですが、それ以外の部分、例えばケイジ達の言葉を信じる人間が多すぎるところなども気になりました。

あと伏線を張られたのかと思っていたのにおざなりで終わってしまうこともあり(ミドルネームとか)、それは期待してたのに・・とがっかり。

でもそれぐらいだったでしょうか。

 

まとめ

オチのネタバレもしてしまいますが、結局仲間も生き返って前の復帰ポイントより以前に生きて戻って例の戦闘が始まる前にギタイが動かなくなり勝利したという、恥ずかしげも無いほどのハッピーエンド。色々な解釈があるようなので、是非他のブログなどを参照してみてください。

でも、そういったものもまぁいいやと感じられるだけ楽しませてもらいましたし、それだけ気楽に見られるということです(笑)。

軽くて面白い映画観たいなって時にはお勧めです!