ちょっと前の話なのですが、いつも録音して聞いている「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」というラジオ番組。
ゲストにタレントの中川翔子さんを迎えての放送を聞いた時の話です。
中川翔子さんといえばゲームがお好きという印象はあったのですが、放送の中ではプレー中であるというドラクエ11の話を中心に、ドラクエシリーズやゲームについて愛とリスペクトを込めて話されていました。
その中で感じたことがありました。
それは中川さんがドラクエ11の立ち位置に関して話されていたときのことです。今ドラクエの集大成を遊べる喜びを語るのに、過去シリーズからの流れを、ご自身の体験談やその時代の空気と含めて縦の時間軸で文脈を語ってらしたのです。
ドラクエ11に触れて、他のゲームとの横軸の比較というのは誰でも持てる感想だと思うのです。私自身も直前までプレーしていたゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドとの操作性を比較した感想を持ちました。
でも、人生の中でずっと好きで携わってきたこと、リアルタイムで感じてきたことが綿々と蓄積されていて、強烈な自分の体験として縦軸に語れるものがあるということが、なんて素晴らしいことなんだろうと思ったのです。
子供のころは好きなことだけやっていた気がしますが、ちょっと大きくなると流行りものに乗ってみたり、「これってもう卒業しなきゃ」と世の中の価値観に合わせて離れてしまったものもあります。
環境として、そのものが世の中から無くなってしまったものもあったかもしれません。
最近で言うとやはり子供ができたこと。
私は2年ごとに3人の子供を授かりましたが、親になってからというもの毎日家事育児をこなすのに必死になり(今もそうですが)、自分の趣味や継続してきたことを途切れさせてしまったのです。
その分、今の生活の中でできることを探してカメラなどの新しい趣味を持つこともできましたが、子供のころからとは言わないまでも若い時分から続けてきたことが断絶してしまいました。
育児は大分楽になってきたので、そういったものにもう一度携わることもできるでしょうが、体力や技術的なことは底に落ちてしまったし、なにより新たな価値観を得たことで、以前好きだったものも客観視できるようになってしまったというか、気力や執着心が薄らいでしまったのは否定できません。
私には、子供のころから好きでこだわって執着して続けてきたことが無くなってしまいました。
中川翔子さんがドラクエという軸で語っていたことは、人生を通じて人生と共に好きでいたこと、携わってきてずっと心に残っているものがあるということの素晴らしさ、豊かさだと思います。
・・って私が勝手に感じていることではあるのですが(笑)。
私は失ってしまいましたしそれが私の人生でこれはこれで好きなわけですが、子供たちには本当に自分が好きなことを見つけて、やりたいように遊び続けさせてあげたいと思いました。
自分が執着できることがみつかったなら、私たち親の価値観とは違ってもできるだけ大切にしてあげられるような親でいられるように、頑張りたいと思います。