2024年もまた、中小企業診断士の一次試験を受けました。
昨年に続き限られた時間の中での続き独学での一次試験、結論としては成功した点とともに失敗した点があり、二次への進出はできませんでした。
それでも、来年に向けての勉強のやり方が見えました。
この記事では、中小企業診断士に独学でチャレンジしようかなとお考えの方に向けて、一次試験の成功事例と失敗事例をお伝えします。
成功事例はぜひ参考にして頂き、失敗事例は避けるようにして頂くと、一次の合格が近づくかと思います。
2024年度試験の経緯と結果
昨年(2023年)2カ月ほどの時間で、経済と経営法務の2科目だけ受けて合格しておりまして、2024年は2科目のみ合格済み=免除がある状態からスタートでした。
詳しくはこちら。
またもともと情報処理試験の合格実績があるため、情報システムも免除があります。
今年は安全確保支援士の受験をすることになったため、4月22日の試験が終わってからの約3か月で、次の4科目を全くの知識ゼロから受験したことになります。
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営・管理
- 中小企業経営・中小企業政策
このうち、2と3については科目合格出来ましたが、1と4は残念ながら合格ならずでした。
2024年度の勉強方法
今年は長女の受検の親塾がメインでして、毎日朝と夜には長女に勉強を教えていました。
日中は普通に出勤しての業務があるなど限られた時間の中で、さらにスタートが全くのゼロの状態から4科目を3か月で勉強するために、次のような勉強の方針を立てました。
- 範囲が広いので、時間をかけすぎないようにする
- インプットはできるだけ効率的に、テキストに加えて解説動画も見る
- メインの勉強は過去問の周回、解説から学ぶ
- 過去問では電子書籍を活用する
それぞれについてご説明します。
範囲が広いので、時間をかけすぎないようにする
中小企業診断士の試験は全7科目。今回は4科目でしたが、それぞれを知識ゼロから勉強するには、普通にやると時間が掛かります。
意識したことは、効率的に戦略的に準備をして時間をかけすぎないこと。
私はこれまで資格に合格するときは、傾向が変わるなどがあっても対応できるように、とにかく量で準備してきました。
ですが今回はインプットをある程度絞ることにしました。
不安はありますが、終わらないことの方が問題なので、思い切ってこのような方針としました。
インプットはできるだけ効率的に、テキストに加えて解説動画も見る
資格試験の勉強を始める際に、使用するテキスト選びは重要です。
受験する人の前提知識や試験日までの日程、ご自分のキャラクターなど、様々な条件によって向いているテキストは異なる為です。
色々な参考書を見比べ、今回の私は早稲田出版さんの参考書を使うことにしました。
理由は三つあります。
一つ目はの理由:動画で講義を受けられるため
早稲田出版さんの参考書は、Youtubeで講義動画を公開しています。
毎年参考書は更新されるのですが、その年度の参考書はに合った動画が更新されています。
予備知識が無く広い範囲のインプットを短時間でするのは、ただ参考書を読むだけでは難しいと思いました。
そこで参考書を動画の講義のテキストとして勉強できる早稲田出版さんを選択したのです。
二つ目の理由:参考書に重要度が設定されているため
参考書には、単元の項目ごとに基・A・B・Cという重要度が設定されています。
勉強する項目を絞るために、この重要度を参照しました。
時間が足りないので、動画の講義を受けながらのインプットも、BとCはスキップすることにしたのです。
これによって、短期間に全体の概要を把握するのには役に立ちました。
三つ目の理由:先を見越した勉強ができそうに思えたため
早稲田出版さんの参考書は、動画講義があって初めて成り立つようなレベルではなく、それ単独でも内容の濃いものになっています。
一次試験には十分以上の内容なのですが、それは二次試験で必要になる、より高度な知識も見越した内容としているため。
なので、この参考書で勉強ができれば、本番である二次試験でも使えると感じたからです。
さらに早稲田出版さんの講師は現役バリバリの中小企業診断士の先生。
動画を見ていると、合格後の診断士としての業務も見越したお話をされているんですね。私にとってもこの資格に合格することが目的ではなくて、合格後に世の経営者の方の役に立つために勉強をしているわけですから、このような視点を教えてくれるコンテンツで学びたいと思ったこと。
これらが早稲田出版さんで学ぼうと考えた理由です。
インプットの勉強は、講義動画をみながら参考書を読むやり方。これまで独学と言えばテキストを読むことしかしてこなかったため、動画での講義はかなりわかりやすく、効果的でした。
ノートは取らずに、参考書に直接書き込みます。
動画は2倍速にしました。
後述しますが中小以外の財務、企業経営理論、運営管理を1カ月ほどで終わらせました。
中小も同じようにやったのですが、繰り返し問題を解くために時間を使いたいため、動画の講義はスキップしてしまいました。
メインの勉強は過去問の周回、解説から学ぶ
さらっとテキストを一周、動画で学んだら、いよいよ勉強のメインである過去問の周回です。
繰り返すのは、問題や答えを覚える為ではありません。出題されるような議題を理解するために、過去問を利用するのです。
中小企業診断士一次試験は選択問題なので、答えを覚えてしまうことは簡単です。
でも本当に理解するために、正解以外の選択肢のどこがNGなのかまでわかるレベルにします。
それをするためには、初学者のうちは過去問題の解説が詳しい問題集を選ぶのがおすすめです。
書籍と電子書籍
過去問も早稲田出版さんのものを中心に使いましたが、今回は電子書籍も使ってみました。
財務会計と中小は、実際の書籍を、
経営理論と運営管理は電子書籍版を購入。
それぞれの良し悪しがありました。
早稲田出版さんの電子書籍版は、2種類あります。
最新の令和5年度の問題を一冊分と、平成30年から令和4年の5年分のものです。
5年分の過去問は、各問題の次にすぐに答えがあるため、リアルな過去問題で一問一答のような使い方ができました。電子書籍なので、サクサクと問題を繰り返し解く=知識問題を繰り返して覚えるのには向いていると思います。
1年分のみの過去問は、本番と同じように問題が全て終わった後、全ての問題の解答と解説が書かれている形式です。あまり電子書籍のメリットを感じることはありませんでした。
紙の書籍は、解説のページに書き込みが可能です。電子書籍版は書き込みができないので、その点では紙の方が便利でしたね。
一方の電子書籍は、マーカーで線を引いたり消したり自由にできるので、解説で覚えられていないところには線を引いて、覚えたら消していくという使いかがたできました。
今年の反省点
今年科目合格できなかった、というか40点台だったのが財務会計と中小です。
なぜダメだったかというと、結論としては過去問の取り組みが不足していたからでした。
財務会計は、個人的にもっとも苦手な科目なのですが、その分過去問の理解が足りなかったと感じます。試験本番で問題を見た時に、「あ、準備足りてなかったんだ」と気づきました。
計算の問題が多数あるのですが、理解した上ですぐに手を動かすということができるところまで準備ができてなかったようです。
ひとつひとつの問題が難しかったため、理解しながらというのが時間がかかり過ぎてしまったというのが理由です。
中小は、「年によって出題される白書が変わるので、過去問はやらなくて良い」という情報をそのまま間に受けてしまって、テキストでのインプットしかしなかったため、出題傾向に慣れていなかったという問題がありました。
また、早稲田出版さんの書籍を使って勉強したのですが、覚えが足りなかったのかもしれません。
私が周回して読んだだけでは、合格点に至れませんでした。
もう少し上手く活用するか、別の参考書も利用するべきだったのかもしれません。
来年に向けた一次試験対策
来年は苦手の財務会計と中小対策を行います。
そのために、今年の反省を踏まえて対策します。
前提として、まずは来年の二次試験対策も同時に行います。
財務会計の対策
まずは財務会計については、理解が足りないままだったことが問題でした。
そこで、後述しますが二次試験の事例4の学習で深く学ぶこと、そして過去問にかんしては早いうちから手をつけて、多様な論点に対応できるように多くの年度の過去問を理解しながら即答できるように準備します。
計算問題は、計算の1行1行何をしているのかを説明できるレベルにしたいと思います。
また、問題を多く解くために、一問解いては解答を確認するという時間のかかるやり方ではなく、一年分を一気に解いて、その上で解答確認する方法に変えてみます。
中小の対策
これはまだ勉強方法がわかっていません。
どのような準備をすればよかったのか。
そこでまずは今年の試験問題を分析して、どのような対策をするべきだったのかを確認します。
また、中小企業経営はともかく、中小企業政策のジャンルは過去問題も有効なことがわかりました。そこで政策の方は他の試験と同様に過去問題を繰り返して理解したいと思います。
過去問対策
過去問題がガッツリできなかった理由は色々とありましたが、とにかく時間がない中で、合格に向けた効率的な勉強ができていなかったと思います、
具体的には、すべての問題を馬鹿正直に取り組んでいたこと。
中小企業診断士の試験では、100点を取らせないためのような、難易度が高くて出題傾向の低い問題も含まれています。そういった問題は難しい上に、勉強したところで次の試験に出題される可能性も低いので、そういう問題の勉強は避けて頻出問題で確実に点が取れるように準備する方が、限られた時間の中では効率的かと思います。
各問題の正答率の目安を上げてくれているのが、TACさんの過去問です。
次回の一次試験は、TACさんの過去問を使おうと思います。
二次試験対策も開始
来年、2025年度試験ではぜひ合格を勝ち取りたいと考えています。
そのために、一次敗退直後はまず二次試験対策を始めます。
来年の一次合格直後の二次試験に合格できるため、加えて一次試験の財務会計の学習につなげるため、というのが目的です。
二次試験対策としても、早稲田出版さんのテキストを使わせていただくことにしました。
動画の講義が最大の魅力ですが、合格だけでなく、診断士になった時も見越した王道を学べるように感じたためです。
2024年版テキストをKindle版で購入、来年に向けて学習開始しました。