今年に入って急に「子供の写真を綺麗に残さなきゃ!」とカメラに興味を持ちだしたカメラ弱者の私ですが、勉強している内に写真の魅力について少しずつ気づけるようになりました。カメラで写真を撮る、その行為そのものがとても楽しいものなのですね。
家族と一緒にできるというのも、まだ幼い子供を抱えた家庭人としては重要な要素。ギターを弾く、映画を観る、本を読むなどやりたいことは多いのですが、一人で集中してやらせてもらえる環境では無いのです。カメラであれば子供たちの世話をしながら一緒に写真も撮れる。比較的堂々と取り組めるのです。
このように大切な趣味となり始めたカメラ、また新たなジャンルの本体が欲しくなっていました。
機械式カメラ、Canon FTb
そのジャンルとは「機械式カメラ」というものです。
現代のカメラは電動ですのでシャッターを押すにも電池が必要ですが、かつてはゼンマイやばねなどを駆使して、機械で写真を撮るものでした。もちろんフォーカスもオートではなくマニュアル。露出の設定もシャッタースピードや絞りを自分で設定して、一枚一枚フィルムを巻きながらカシャンと撮る、そんなカメラです。
原点のようなカメラを使ってみたいという欲求が湧いた・・のもありますが、実は私は機械式カメラの見た目が気に入ったのです。鉄製のボディで質感が良く、なによりデザインがレトロそのもの。今のEOSも良いですが、この古いカメラのルックに大いに惹かれてしまったのです。カメラは写りも大事ですが、なにより持っていて気に入って使いたいですからね。
そしていよいよ、ずっと狙っていた機械式カメラ、Canon FTbをヤフオクでゲットしてしまいました!
ちょっと形が崩れた純正ケースに入っています。
取り出すと~・・どうです!渋いでしょ!?
初代FTbは1971年(昭和46年)3月発売(公式さまはこちら)の、私より年上のカメラ。軍艦部分がこのような黒とシルバーの2種類のカラバリがあったようです。
キタムラさんで安く28mm広角単焦点NFDレンズを購入(これしか買えなかった・・)。
一枚ごとに手間がかかります
フィルムの装填方法など、使い方はyoubuteで検索しました。先人の皆さまの取り組みに感謝。
いざ撮ろうとすると・・こんなフローになります。
①ファインダーを覗いて、構図を決める
②マニュアルでフォーカスを合わせる
③絞り値かシャッタースピードのどちらかを任意に設定する
④ファインダー内の露出計が適正値となるように、もう一方も設定する
⑤もう一度フォーカスチェック
⑥フィルムを巻き上げる
⑦シャッターを押す
これ、いまどきのデジタルカメラだとこんな感じですよね。
①ファインダーを覗いて、構図を決める
②絞り値かシャッタースピードを決める(もう一方は自動で設定される。ISOも)
③シャッターボタン半押しなどで「ピピッ」とオートフォーカス
④シャッターを押す(連射も可)
オートで撮るなら・・
①ファインダーを覗いて、構図を決める
②シャッターボタン半押しなどで「ピピッ」とオートフォーカス
③シャッターを押す(連射も可)
デジカメに比べて、何と悠長なことでしょう。しかも一つ一つのフローにかかる手間も増えます。
やはり現代のカメラは本当に便利に進化しているんですね。
ただ機械式カメラは、この手間一つ一つを味わうのもまた楽しいものでして。
今のところの私の技術では、走り回る子供を撮ることは難しく、シャッターチャンスを逃してしまいます。子連れで、しかも抱っこ紐抱えながらといった休日の外出スタイルでは、こんな流暢にはカメラをセットしていられません。普段の自然な姿はデジカメで手早く、シャッターチャンスを逃さないように撮っていこうと思います。
逆にじっくり風景などを撮るときには、一つ一つ設定してカシャンと想いをパッケージするような楽しさがあります。デジタルでは得られない喜びという、このカメラだけの長所があるのです。
写真の味わい
TFbで撮ってみた写真も、いくつか紹介させてください。手動なのでネガフィルムでも露出を失敗してしまうこともありました。
最初の一本目のフィルムから、露出を間違ったパターンです。暗くなってしまった・・。
こちらも同じフィルムの失敗例。フィルムは現像してみないと分からないので難しいですね。今時のカメラではこんな失敗する方が難しいかも(笑)
同じフィルムで、寝ている写真は良い感じに撮れたかな。
ちょっとカメラに慣れた後に撮ったチューリップ。
右の赤い花はファインダーの枠から外して撮ったはずなのですが、視野率が94%ということで、見切れてしまいました。
通勤に持ち出して朝撮った写真。重かった・・。
つまらない写真ばかりで恐縮です。ちょっと色が濃かったり土っぽい感じがありますね。昭和っぽいというのか。フィルム写真ぽさを感じていただけたら嬉しいです。
実際にファインダーを覗いてみると、流石に古いカメラのせいか小さなゴミが沢山見えます。でも現像後の写真には影響は無いようなので我慢。いつかクリーニングをお願いしようと思います。
写真を撮っていて楽しく、本当に気に入りました。動き回る子供たちを撮るのは難しいですが、このカメラでもできるだけ撮り残していこうと思います。