読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

他力と自力と

育児に追われるおじさんの、日記代わりの備忘録です

「猿の惑星: 新世紀」 感想 ネタバレ

誰もが楽しめるうえに、色々と考えさせられる深さも併せ持った娯楽作でした!

 

2014年:米国

監督:マット・リーヴス

映画は全く詳しくないのですが、好きでたまに観ています。

映画館にはなかなか行けないので、レンタルDVDでの鑑賞が主になります。

どんな映画を見たか、すぐ忘れてしまうので、備忘のための感想駄文です。

 

※以下ネタバレありなので、ご注意ください。

 


いや~面白かったです!のめり込んで観てしまったうえ、観賞した翌日にはもう一度観てしまいました。
普段はわくわく感が薄れるためかどうしても観ていて集中できなくなってしまうのでやらないのですが、本作は二回目もまた楽しんで観られました。そういえば前作ジェネシスもレンタルしたDVDを二回観たのを思い出しました。私に合っているシリーズなのかもしれません。

 

世界に浸かっているだけで楽しい

序盤、猿たちの日常をしっかりと見せてくれます。ちゃんと社会が築かれていて、その中で秩序を持って猿たちが生活しています。「猿が文明を築く」というファンタジーですが、エイプ達の日常を丁寧に描いているおかげか、心地よい驚きや新鮮味と共にすんなりと世界観に入り込めました。

そして生き残っていた人間側についても、猿側に比べると社会というよりは個人にスポットした描写ですが、それを通じて人間たちも必死に組織を作って社会的に生活してきたことが伝わります。

私は人間側の都市の様子が、「LAST OF US」というゲームの描写に似ているなと感じたのですが、狭いながらもしっかりと作り込んだ世界観に浸かっているだけで、私は楽しめました。

 

表情の素晴らしさ

猿の顔は勿論作り物なわけですが、その上に表われるかれらの表情が本当に素晴らしい!ちゃんと、台詞無しで表情によって内面が伝わります。それも怒っているなどの極端な表情だけではなく、ほっとした時や寂しそうに笑う時、内面が移り変わるその微妙な変化すらも表情だけで的確に表現しています。
この表情の繊細な表現を行っていることで、ちゃんと猿の内面にもしっかりと意志や感情があることが分かり、それによって猿側の社会もリアルさを増しているように感じます。

私は特に、怒り・おどけ・やさしさ・焦り・屈辱に耐える・ほっとする、などなど、幅広いコバの心情を表わす表情の豊かさが大好きでした。

 

重厚なストーリー

「お猿さん大暴れ!」という娯楽作としても十分楽しめると思いますが、この作品を特別なものにしているのはストーリーの重厚さだと思います。
この映画は、「些細なことから始まってしまう戦争へのプロセス」がストーリーの根幹にあります。
ちょっとしたきっかけで一度動き出してしまうと、大半の人は望んでいないはずの流れですら抗えないままに巻き込まれてしまうのですね。ここまでに猿側も人間側も、ようやくここまで社会を作り上げてきたという描写があるので、それを一瞬で瓦解させる勢いに失望させられてしまうのです。


このきっかけを助長するのが、閉じた心。相手に対する猪疑心や決めつけに囚われた人(猿)が暴走していきます。そして、それぞれが今起きていることのごく一部しか見ていないのに、その範囲でのみで判断し、行動してしまう。
一方、争いを望まないシーザーは「トラスト」という言葉を使います。ただし、人間との間に信頼があっても流れには逆らえません。シーザー達は望まない最終決戦をする決意をして、映画を終えていました。


これってきっと現実社会でも起きている流れそのものですよね。お互い同じように生活をして、誰が悪いわけでもないのに、大きな流れになってしまう。どうかおかしな流れが始まらないことを、一平凡市民としては祈るだけですが。

 

映画的演出数々

ストーリーも素晴らしいですが、その上で、映画的な魅せる演出も多々ありました。

・初めて人間が出てきた驚き
序盤猿の社会を描いていて、そこで突然人間がフレームインしてくるのですが、その違和感が見事。気が付くと人間に遭遇した猿側の視点になっていたんですね。

・猿がしゃべる驚き
前作の「あの」シーンは言うまでも無くですが、シーザーが最初にしやべった「ゴー!」には、わかっちゃいたけど上がりますね!そこまでは手話で話していたのが効いているのでしょう。

・握手演出
次第にシーザーとコバの心が離れて行く様子を、握手の変化で表現しています。
信頼し合っている時の肘までの深い握手であったのがが、やがて触れただけで拒絶するかのように去ってしまう。
分かりやすい上に良く伝わる。非常に印象的な表現と感じました。

 

挙げて行けばキリが無いほどの、分かりやすいけど嫌みの無い、作り手のサービス精神を感じる演出も、この映画の誰でも楽しめる要素となっているのでしょう。

 

まとめ

二回観て感じたのは、コバ大好き!ってことでした(笑)。
最高なのは人間に媚びて生き延びるところとと、戦争でのコバ無双。戦車に乗っての固定視点のシーンには思わず笑いながら喝采をあげてしまいました。
コバ視点で見ると、やはりシーザーは人間にデレデレすぎだし優等生過ぎに感じますねぇ。女性の手を取ったり、「良い人だ、お前みたいに」とか言っちゃったり。そりゃコバも不安になりますよ。


それはさておき、前作と今作では監督が変わっているようなのですが、それでも同じように面白かった!
深いけど重すぎず、誰が見ても楽しめる娯楽作になっていると思います。

 

・・と、余談ですが、この映画を観た子供たちが即影響されてエイプ化したのがとても面倒くさかったです。

f:id:tarijiri:20151107030915p:plain