他力と自力と

家事と育児に追われるおじさんの、日記代わりの備忘録です

プレーオフ優勝!モンテディオ山形がJ1昇格を決めました

もう数日で40歳となるいい大人である私の目からも涙が出てきました。全員が身体を張ってボールに喰らいつく姿に、そして「本当に昇格するのか」という不思議な思いに。

 

12月7日、われらがモンテディオ山形プレーオフ決勝戦を迎えました。相手はリーグ戦3位でシード権を獲得していたジェフ千葉さん。山形はGK山岸選手の劇的な得点によって決勝戦へコマを進めていました。私は家族5人と友人夫婦二人で応援に駆けつけました。

 

試合へのアプローチ

山形と千葉さん(以下敬称略)は異なるアプローチでこの試合を迎えていました。

山形と千葉は直前の天皇杯準決勝でも戦っていましたが、その試合から駆け引きが始まっていたのかもしれません。その試合の感想は


クラブ史上初 天皇杯決勝進出! - 他力と自力と

に書き残しておりますが、この試合へ挑むメンバーがまず異なりました。

山形の石崎監督は、この大事な時期の水曜日という日程的に難しい試合に対しフルメンバーで挑みました。一方の千葉関塚監督は、怪我などのトラブルがありつつも、リーグ戦出場機会の少ないメンバーも含まれる、主力を休ませたと見ることもできるようなメンバーで挑みます。結果は山形が競り勝って、チーム史上初の決勝戦へとコマを進めました。

 

その直後山形はジュビロ磐田とのプレーオフ準決勝に挑みます。連戦が続いていましたが、この試合でも山形はベストメンバー。


GK山岸選手の劇的なヘッド!プレーオフ決勝進出を決めました - 他力と自力と

疲労は溜まっていたと思いますが何とか勝ち進みます。

その間シードであった千葉は試合が無く、9日間の空白がありました。

 

山形は疲労というリスクを冒しつつも真剣勝負への経験を増やすということで常にベストメンバーを組み、千葉はベストコンディションでこの日を迎えるという考えが合ったのではないかと思います。

 

 

今週、日本列島を寒波が襲い各地で大雪が降ったわけですが、山形もこの大事な時期に雪が練習場を覆ってしまいました。サポーターが除雪をして何とか練習をしたそうですが、練習メニューの全てはこなせなかったそうです。

この雪の影響が何かしらもたらすかな・・?とは思いましたが、メニューをこなせなかったゆえの疲労回復と、サポーターの方々の除雪による心意気が伝わるなど、なんとなく良い方向に向かうのではないかと考えていました。

 

アウェイですが

 

この試合は中立地である味の素スタジアムで行われました。順位の低い山形はアウェイでしたが、試合前のあおりや選手紹介は両チームがホーム仕様でした。この決勝戦のレギュレーションを把握していなかったのですが、普通にアウェイとして淡々と名前を呼ばれるだけと思っていたので、これは嬉しかったです。

山形のゴール裏はパンパンに人が入っており、声援も一体感があって迫力がありました。今回連れて行った4歳8カ月の息子は、試合そっちのけでサポの応援を見ている時もありました。

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ですが、さすがホーム千葉さんの黄色は面積も密度も濃くて迫力があり、コレオも綺麗でした。子供の世話で写真を残す暇が無かったのですが、ちょっと圧倒されました。

 

勝敗を分けたもの

 

勝敗を分けたのは、サッカー的なことは素人なのでわからないのですが、技術で勝る千葉に対し、山形は常に走り続けボールを追い続け球際は厳しくなど、戦う気持ちが勝っていた気がします。

ボールキープ率は多分千葉のほうが高くて基本的には攻められている時間が長かったと思いますが、山形は守備によってその気持ちの強さを見せ続けました。前線からの守備と中盤の読みと潰し、最終ラインの最後の身体を張り続ける集中力と意思力、そしてGK山岸選手の技術の高さと声による統率と、ピッチの全員がさぼらずにボールに食らいつき続けました。サイドで3人で囲っているのにかわされてボールを逆サイドに展開されてしまうようなこともありましたが、それでもそのボールに全員がプレッシャーをかけるためにスライドして走って追いかけていて、その姿勢にこそ、このシーズンに培っていた、そして山形の強みがあるのではないかと思います。

 

涙が・・

 

試合終盤、千葉はパワープレーに出てきました。ロスタイムが何分かわからずにおろおろしながら観ていましたが、全員が身体を張って守ります。ピンチが繰り返し襲ってくる中必死に守るその姿を観ていて、そして「もしかしたら昇格するの?」という気持ちと相まって、何故か急に涙がこみ上げてきました。

そして歓喜の瞬間!子供に「お父さん泣いてるじゃん」と言われるほど涙があふれてきました。もう我慢せずに泣いていましたが、嬉し涙と言うのは単に嬉しいからだけじゃなくて、それまでに積み重ねてきた想いや辛抱があるからこそ、それが報われたことに心が震えるのですね。

そして千葉の選手・サポーターの気持ちを慮ることはできませんが、当然逆の立場になっていた可能性もあるわけで、その想いを想像すると本当に苦しい。まして千葉は3年連続プレーオフで敗退したわけですから。勝利の意味がわかっているのかいないのか、なんとなく喜んでいる息子に私は千葉のサポーターを示して敗者への尊重について話しました。多分全然わかっていないと思いますが、人生もチームも、いい時も悪い時もあり、禍福はあざなえる縄のごとし、どちらも大事な時間だと味わいながら未来をポジティブに見つめられる人間に育ってほしいと思います。

 

おめでとう!

 

モンテディオ山形の選手・スタッフの皆様、昇格おめでとうございます!そして喜ばせてせてくれてありがとうございます。これからまた出会いと別れの季節の後、厳しいJ1リーグの戦いがはじまりますが、堂々と戦う姿を見せてほしいと思います。

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