他力と自力と

家事と育児に追われるおじさんの、日記代わりの備忘録です

「GODZILLA」 感想 ネタバレ

でっかいもの好き(アホな文章)な私としては、ある意味最高の映画体験でした。

 

監督:ギャレス・エドワーズ

2014年:米国

 

※以下ネタバレありなので、ご注意ください。

また、否定的な意見も多いので、本作がお好きな方はご容赦ください。

 


私は1954年の初代ゴジラを見たことがありませんでした。
この映画を見る前に、1954年版をどうしても観ておきたかったのですが、こちらでもチラッと書いたとおりレンタルに失敗しまして、それ以来常に貸し出し中だったので、結局観ることはできませんでした。
なぜこの作品を見ておきたかったかというと、噂で初代ゴジラを意識した作りだと聞いていたからです。私は初見の際は出来るだけ予備知識を入れずに映画を観たいと思っているのですが、その噂だけはなんとなく知っていました。なので、その母体となった話、そして哲学を知っておきたかったのです。残念ながらそれは叶わなかったですが、流石に大体の話は知っているので、観られるチャンスを逃すことなく「独身生活」の内に観賞できました。

 

もう最初に書いちゃいます

期待が大きすぎたのでしょう、個人的には正直ストーリーはちょっと好きになれませんでした。人間パートは冗長に感じられ、核の表現や津波表現も不快でした。
それでも怪獣パートの大迫力、とくにゴジラ存在感に圧倒され、映画的には満足できました!

 

VSとは知らなかった

前述の通り、私は初代の影響を受けた作品という予備知識しかなかったので、てっきりゴジラ単体の脅威を表す映画になると思っていたのですが、まさかのVSシリーズでした。MUTOという怪獣かつゴジラの天敵のつがいと戦う話だったのです。
卵からかえった瞬間、細い脚が出てきて「はれっ?」と力が抜けてしまいました。

 

ストーリーはだいぶアレ

前述しましたが、正直個人的には話は大分雑に感じてしまいました。早くゴジラの大爆発が観たいのに、グダグダと続くのに特に意味が無いストーリーに、正直イライラしていまいました。

まず、家族愛の話が面倒に感じてしまいまして。。
キックアスで大好きだった彼も立派なお父さん役がハマっているのは良いのですが、ん~都合良く生き残るところなどはハリウッド的と言えるかもしれませんが、全てが時間稼ぎのご都合主義に見えてしまったんですよね。後述するゴジラの存在を考えると、ハッピーエンドになるのがつじつまが合わなく感じてしました。

 

無能すぎる指揮官たち

ゴジラ、対MUTOという対策を立てているのが限定された人々なのですが、とことん頭が固くて無能過ぎて、観ていてつじつまが合わないんですよね。MUTOは放射線を食料にしているっていうのに、核兵器を使おうとしてミサイルを相手に食われたりとか、電磁波で電力が使えなくなるのがわかっているのに、戦闘機で攻撃を仕掛けてボトボト墜落したりとか。戦闘機が動力を失っておっこってくるシーンは目新しかったですが、普通出撃させないだろと。

そして、芹沢猪四郎という、これ以上ない初代ゴジラを表現する日本人博士の役立たなさたるや。渡辺兼さんのアメリカでの存在ってあんなもんじゃないはずですよね?思慮深く物事を把握しているようで、実は何もしないという。アメリカ人相手にヒロシマの原爆を突きつけた点と、「ガッズィーラ」でなく「ゴジラ」と発音してくれたぐらいが仕事でした。ゴジラがMUTOと戦ってくれるという
意見も根拠が無い(強いて言えば日本人だから感じてる?)ので、「何を言ってるんだ?」と思いました。セリフを語る姿には重みがある分、浮ついたセリフにガッカリさせられました。

 

さらに好きになれない部分も

日本人として非常に不快になる表現もありました。
とりあえず古きJAPAN幻想は笑って許せるとしますし、原発事故も受け入れましょう。
しかし、津波表現は頂けないと思いました。ゴジラは確かにでかいですが、流石に歩いてあの勢いの津波をおこせるというのは説得力がありません。日本だから、地震津波の国だから、という程度の覚悟での流用に見えたのです。
もちろん、ゴジラが地球の怒りという存在なのであれば、無茶な現象も受け入れないでは無いですが、であれば次の表現とつじつまが合いません。

それは、米ソが行っていた核実験はゴジラを退治するための攻撃だったという表現です。初代ゴジラは水爆実験で目覚めた存在、つまり人類の増長に対する地球の怒りだとすれば、それを都合良く否定するディティールですよね。この存在が、物理的な説得力を越えてあれほどの津波を引き起こすのは、こちらもご都合主義に感じました。

 

大迫力のゴジラ

ここまでクソミソに書いてしまいましたが、それでも、ハリウッドの技術を使ったゴジラの迫力は「サイコー!!」でした!
じらされまくって、ついに姿を見れての咆哮には、ぶっちゃけ鳥肌が立ちました。IMAXで観られることに感謝しました。
この映画での人間の話は、極端に言うと無用なのですが、それもそのはずゴジラとMUTOとの闘いに、人間は全く影響を与えられないのです。つまり人間の無力さを表わしているように思えました。人間という存在に気づきもしないような怪獣達の振る舞いに、人類がなすすべも無く翻弄されている姿には、やはり自然に対する畏敬という重みを表現しているように感じました。

同じようなでっかいもの(アホの(ry)を扱った「パシフィック・リム」と比較されることもあると思いますが、パシフィック・リムが「カッケー感」というか、音楽でいうとミドルからハイのアドレナリン溢れる能動的快感とすると、このゴジラは、深く重い低音がズンズンと臓器を打ちつけるような、受け入れるしかない受動的な感動を感じました。

 

まとめ

とにかく、ゴジラの表現には感動しました!ストーリーは日本人としても好きでないところが多かったですが、それでもこの大迫力には映画的感動を頂きました。好きな人ならKAIJU達の大迫力PVとしてだけでも満足できるかも。
もし興味のある方は、是非IMAXでの観賞をお勧めします!