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他力と自力と

育児に追われるおじさんの、日記代わりの備忘録です

「プリンセスと魔法のキス」 感想 ネタバレ無し

え?これすごく面白いんですけど!!

 

2009年 米国

監督:ジョン・マスカー/ロン・クレメンツ 

制作総指揮:ジョン・ラセター

映画は全く詳しくないのですが、好きでたまに観ています。

映画館にはなかなか行けないので、レンタルDVDでの鑑賞が主になります。

どんな映画を見たか、すぐ忘れてしまうので、備忘のための感想駄文です。

 

※今回はネタバレなしです。

 

 

我が家でもご他聞に漏れず、子供たちが「ありの~ままで~」にはまっていまして、特に娘はYoutube松たか子さんの歌を飽きることなく繰り返し見続けています。そんなに好きなら映画を見に行っても良いのですが、流石に2歳になる前では映画館でおとなしくしてられないうえ、現在まだDVDがレンタルされていないので、変わりにプリンセスもののDVDを借りてきました。

この作品を選んだのは、主人公がカエルになる予告編を娘が気に入ったためです。

 

すみません、ディズニー系はちょっと苦手。。

 ただ・・私は全く興味がありませんで。。

好きな方には申し訳ないのですが、私自身はプリンセスとか王子様とか愛と魔法の世界的なのがとても苦手でして。。「プリンセスと魔法のキス」なんて題名から半分以上内容は予想がついちゃうし、娘も2時間ずっと観続けることはできないと思うので、まぁ喜んで観ている間だけ流しておこう、程度に考えていたのです。・・んが、この作品はそんな私の浅はかな想定をかるがると超越する、良い映画だったのです!

 

いわゆる脱構築というもの?

映画の冒頭、白人と黒人の二人の少女がおとぎ噺を聞いています。その内容が、魔法でカエルになった王子様とプリンセスのキスで魔法が解けるという、いわゆる「ディズニープリンセス的」物語なのですが、白人の女の子がときめいているのにもう一人の主人公ティアナは、「カエルとキスなんてやだから」と現実的な発言をします。

また、ティアナはお父さんとレストランを持つという夢を星に願おうとするのですが、その家族は「お星様は夢をかなえる手伝いをしてくれるだけだから、自分で努力しないとだめだよ」ということを言うのです。いわゆる「星に願いを」を現実的な視点から見ているのですね。ストーリーも、舞台がニューオリンズという、Jazzを産んだアメリカの現実的な世界であり、ミュージカルとして歌われる曲もジャズ調、などなどこの物語では、ディズニー映画の夢とロマンという構築された型を、現実というメタな視点から一度語りなおしているのです。

私はこれがとても面白かったし、苦手な型を取っ払ってくれているので、見ていて心地よかったのです。

 

プリンセス・・??

プリンセス・・というか主役の女の子が黒人であるというのもこれまでは無かったでしょうし、夢をかなえるために彼女がほしいものは魔法ではなく、お金というもの。そのために彼女がやっていることは、朝も夜も働くことです。つまり、夢と魔法のストーリーがこれまでのディズニープリンセス物語のテーマであったのをいったん離れ、夢には努力することが必要、という現実的なテーゼが示されるのです。ただし、彼女は忙しさや夢を追うことに一生けん命になりすぎていて、両親に言われていた「大切なもの」を見失っているようにも見えます。

これまでのディズニーでは無かったプリンセス像ではないでしょうか。

 

王子さまも

今作の王子さまは、自分では何もできないいい加減な男。料理も着替えもやってもらって、自分が黙っていても周りが何でもやってくれる環境にいたため、常に誰かが問題を解決してくれると思っていて、何事にも主体的に頑張るティアナに、「なんでそんなに働くんだ」などと言ったりします。カエル状態なのに。

 

魅力的な出演者

キャラクターも好きでした。

恥ずかしながら、ティアナのように大人で頑張っているような女性キャラってとても好きなタイプで・・。溌剌としてこちらも好きだったラプンツェルに勝るとも劣りません(自分調べ・・ってどうでもいいですな)。

そして何より、ホタルのレイ!見た目は歯が欠けていて、可愛いくもカッコ良くもない、みすぼらしい容姿なのですが、こいつが本当にナイスガイでして。おせっかいなほどやさしくて、勇気があって、そしてエヴァンジェリーンという星に心底惚れている一途さも持ち合わせているという。こちらも、過去のディズニーの愛されるキャラとは見た目は異なりますが、「見た目じゃなくて中身に惚れろ!」という、まさにこの映画のような存在なのです。

 

素晴らしい着地

色々と書きたいのですが、私はこの映画が気に入ってしまったので、ネタバレは無しで。

ですが、ストーリーとしても脱構築をしながらも、しっかりとディズニーマターに乗っ取った素晴らしい着地をするんですね。私が過去にイマイチ苦手に感じていたはずのクライマックスシーン、やはり魅力的なものなんだと新たに感じさせてもらいました。

 

まとめ

手書きアニメの美しさも、Jazzの曲の心地よさも、ティアナの可愛さも。そして脱構築→新たなベクトルからのクラシカルな着地も気に入りまして、結局娘が飽きた後も一人で最後まで見て、一人で感動してしまいました。

名前だけで判断して、観過ごさなくて良かったです。「プリンセスと魔法のキス」って、あえてなのかも知れませんが、あんまりにもベタすぎる名前じゃないですか?。私のように、この名前で内容を決め付けてしまっている人の内には、実際観賞すると本作を楽しめる人も多いと思いますよ。

 

本当に見て良かったです。これも「アナと雪の女王」のおかげですね(笑)