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他力と自力と

育児に追われるおじさんの、日記代わりの備忘録です

夫の側から見た立ち会い出産 普通分娩編

私たち夫婦には3人の子供がおり、私はそれぞれの出産の際に立ち会うことができました。同じ病院の同じ分娩室の、そして同じ先生が取り上げてくださったのですが、1人目のときと2、3人目のときでは隣から見ていた光景は全く異なるものでした。

1人目は普通分娩、2人目と3人目は無痛分娩です。

私はこの両パターンの出産に立ち会った夫側の視点で、当時の思い出を振り返ってみたいと思います。

 

今回は1人目の出産編。

このときの出産は本当に大変でした!そもそも初めての経験にもかかわらず、出産の予定日を過ぎても陣痛が来ず、その間の不安は募るばかり。でも妻にはそういった態度を見せないようには気をつけました。

初孫となる私の親からも一度、「まだかな?」というメールを受けましたが、「居心地がいいみたい、もうちょっと待ってて」と答え、妻にはプレッシャーが届かないように注意しました。

 

ようやく陣痛

予定日を10日過ぎた朝、ようやく陣痛があったと伝えられ、私は会社を休んで嫁の実家に向かいます。やがて不安定ながらも定期的な陣痛が始まり、病院へ移動しました。

妻は陣痛室という個室(ヒドイ名前ですなw)で横になっていますが、定期的に訪れる痛みに辛そうです。部屋にはお腹の張り具合を示すメーターがあり、痛みがくるとメーターが大きく振れます。そのたびに痛がる妻。こんなに痛みに苦しむ姿を初めて見たので、私も辛い気持ちになりました。

 

夜になるも、なかなか陣痛の間隔は縮まらず、産道も8センチまでしか開きません。私はそのほうが楽だからとベッドを起こしたり、痛みに苦しむ妻のお尻の辺りをグーっと押したりとフォローしてきましたが、真夜中になって産道が開ききらないままに分娩室に移動することになりました。

 妻もそうだったと思いますが、何故か私も緊張しました。「次にこの部屋から出るときには、子供がいるんだ」などと考えていたことを思い出します。

 

修羅場の分娩室

ですが、ここからが本当に大変でした。

私は分娩台に座る妻の頭の後ろに立ち、妻がいきむと同時に、力が入るように妻の頭を前方胸のほうに向けて押す役目でしたが、なかなか赤ちゃんが出てきません。分娩室の中がどんどんあわただしくなってきます。いきむたびに早まる子供の心拍音が、更に私を焦らせました。

 

私は時に妻の汗を拭きながら、必死に妻の頭を押していましたが、ふっと気がつくと分娩台の妻の腕には促進剤がうたれていて、数本の管が延びています。そしてそのお腹の上には助産師さん二人が乗っていて、奥で吸引機を構えて大きな声を出している先生。。妻は必死にいきんでいるようですが、その壮絶な光景に妻がとても生気のある存在には見えませんでした。

後から聞いたところによると、息子の首にはへその緒が3重に巻き付いていて、それも出産を難しくしたということでした。

 

本当に痛そうで辛そうで、後に「死ぬと思った」と言っていましたが、私もこの光景を真後ろから見たとき、「母子共に健康なんて、簡単に言っちゃいけない贅沢な言葉なんだ」という言葉が浮かんだのを覚えています。そして正直なことを言うと、「万が一があるなら、せめて妻だけは命を助けてほしい」という思いが、心に浮かんだこともありました。

 

そして誕生!

どれぐらいそんな時間が続いたか間もなく日が変わろうとする頃、ついにその時が来ました。息子が出てきたのです!

その時の私にとっては子供が産まれたという感動よりも、二人の命の危機が去ってくれたことに涙も忘れて感謝していました。

 

浮足立った興奮状態のまま、とにかく妻に感謝の言葉を伝えたいと思ったその瞬間!思いもよらぬ言葉をかけられました。

助産師さん「おと~さん、ほら、写真とらないと!」

私「・・え?ぅおえええ??」

だって、今の今まで生き死にの修羅場だったんじゃないの?

なんでそんな平和なことを、日常テンションで言えるの??

 

私にとっては生死の境に見えた光景も、プロの方にとっては日常茶飯事だったのでしょう。興奮冷めやらなかった私は大事なデジカメをおっことし、ビデオカメラもなかなか付けられず。あとで見返したら、最初に撮った動画はぐらぐらで、何故か嫁や子供は映っておらず慌てる自分が映ってました(笑)。まぁみっともない父親でしたが、おかげで思いでとなる写真や動画が取れました。

 

分娩室は直ぐに落ち着きを取り戻します。

妻は胎盤を取るときと、切ってもらっていた出口を縫い合わせるときも痛かったようです。カンガルーケアを終えた息子は、血を拭いて体重を量り(3452グラム)、服を着せてもらいました。f:id:tarijiri:20170222064513j:plain

 

私は妻の次に抱っこさせてもらいましたが、本で読んでいた通り意外と上手いこと抱っこ出来たことと、産まれたての息子の額に、思わずキスをしてしまったのを覚えています。

 

吸引機を使ったので頭のてっぺんが伸びていましたが、とにかく無事で良かった。

胎盤が外れるとおっぱいが出ると聞き、早速ためしてみたところ、ちょっとだけでしたが確かに出てきて、息子もそれを吸っています。生命の神秘を感じました。

 2時間近くそのまま分娩台で休んでいた妻も、車いすに乗って入院部屋に戻ります。カメラを向けると笑顔でピースしていたのは流石と思いました。

妻の実家に帰った私は、お祝いのビールをちょっと頂いて義両親に動画や写真を見せていたら急激に疲れて、直ぐに眠ってしまいました。

 

立ち会って良かった

以上が息子誕生時立ち会いの思い出です。

もちろん誰よりも妻が一番大変な思いをしたわけですが、私にとっても妻の命の危機を感じた壮絶な記憶です。特に、妻が生気を持った存在に見えなかったあの光景は、忘れられないと思います。いま思い出すと二度とそんな想いはしたくないですが、いざその場では必死だったので、逃げ出したいような気持にはなりませんでした。

 

二人が無事であることには、今でも感謝しています。

立ち会って良かったかどうかというと、私は本当に良かったです。それによって何か得たものがあったかどうかは、正直分かりません。妻と共有できるあの経験がなかったとしても、妻や子供は大切にしていたと思いますし。

そんなに難しいことではなく、単に良い思い出として、立ち会って良かったと思うのです。

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次は無痛分娩だった娘編です

※追記

3人目も無痛でした。その体験記はこちら