他力と自力と

家事と育児に追われるおじさんの、日記代わりの備忘録です

「ゴーストライター」 感想 ネタバレ

不穏さと不快さ、映画の雰囲気は最高でした。

 

2010年 フランス、ドイツ、イギリス

監督:ロマン・ポランスキー

映画は全く詳しくないのですが、好きでたまに観ています。

映画館にはなかなか行けないので、レンタルDVDでの鑑賞が主になります。

どんな映画を見たか、すぐ忘れてしまうので、備忘のための感想駄文です。

 

 ※以下ネタバレありなので、ご注意ください。

 

ヨーロッパの映画だったのですね。ポランスキー監督は、「おとなのけんか」しか見たことが無かったのですが、大好きな映画だったので期待して観てみました。

 

本物語の大半の舞台となる島は広い空なのですが、ずっと天気が悪く、陰鬱な雰囲気が漂っています。そんな中にユアン・マクレガーさんのシリアル且つコミカルな演技にププっと笑える場面もあり、こんなところはおとなのけんかに通じる部分でしょうか。ポランスキー監督作品や映画に造詣の深い方は、もっと色々と見所があったのかもしれません。

 

話のきっかけとなった、前任者のマカラが自殺をしたという話がいまいち信用できません。島の雰囲気の不穏さに感じるのと同じように怪しさを感じます。上手いことラング前首相の政治犯罪が話題に上がっていて、「信用できない」感じを益々盛り上げます。

そして、主人公の「ゴースト」は観客の受け取る嫌な感じに引きづられるように、事件に巻き込まれています。私は予備知識ゼロだったので、本当に話がどうなるのか知らず、ずっと不安な思いで見ていました。私なら、調査に首を突っ込まなかったと思います。気が小さいから。

 

と、途中までは先の話が読めず面白かったのですが、内心恐れいていたCIAの話が出てきたあたりで、「あぁまたか・・・」と・・。陰謀をたくらむのがCIAというのはありがち過ぎて、残念ながら興ざめしてしまいました。。

そのきっかけがググった結果というのも、がっかりポイント。

最後も結局はマラガが調べたことに、他の人のヒントで気付けただけなど、サスペンスとしては個人的にはいまいちでした。

 

ですが、映画の雰囲気はやはり素晴らしく、謎が解ける場面も、一度ミスリードされたマラカからのメッセージが繋がる瞬間のスピード感とカタルシスはとても気持ちが良かったです。

最後も、謎が解けても解けなくても殺される運命にあったと思われる主人公ですが、死んだ後は姿を見せないというところが、ゴーストっぽいなと感じました。