他力と自力と

家事と育児に追われるおじさんの、日記代わりの備忘録です

「ボーン・アイデンティティ」 感想 ネタバレ

夜中子供に蹴り起こされて寝付けなくなったので、録画していたものを見てしまいました。

2002年 アメリカ

監督:ダグ・リーマン

映画は全く詳しくないのですが、好きでたまに観ています。

映画館にはなかなか行けないので、レンタルDVDでの鑑賞が主になります。

 

※以下ネタバレありなので、ご注意ください。

 

この後シリーズ化する人気作品、私はたまたま観たことがありませんでした。

感想としては、「うん、人気作だけあってそれなりに面白い」という感じでした。

 

若きマッド・デイモンがマルセイユ沖を漂流しているのを漁船に救われるところから話は始まります。記憶喪失になっていて、自分の尻に埋め込まれていたチューリッヒの銀行口座を受け取るところから、自分が何者なのかをたどって行きます。

私はこの序盤、とても面白く感じました。情報の無い観客側と記憶喪失の男が同じ視点でスリルを感じながら、少しずつ話が見えてくるのが良かったのです。

 

ですが、主人公は急に人に襲われることになります。

襲ってくる相手はCIAである、ということが観客には早い時期に提示されてしまうのです。せっかく主人公と視点を同じく探っていたのに、いきなり全体像が見えてしまいます。ですがその後も主人公たちは、ひたすらに少ない情報を頼りに行動します。

 

これでは話の先が見えてしまうので、思いもよらないどんでん返しがあるのかと期待してしまいました。特に、主人公と行動を共にする女性が、ちょっと不審なところがあるな、と感じていました。

さまざまな場所を放浪するように生きてきたこと、マイケル・ケインについて「死んでるから?」と言ったこと(知らないはずでは?と感じた)、そして死体のある場所をなぜか調べだして主人公に伝えたこと、彼女のほうから色仕掛けをしたこと、などなど。

私の見方が良くないせいか、監督のミスリードなのか、結局これらのことはストーリィとは全く関係ありませんでした。

お話は想像通りすすんでしまい、その点では序盤の面白さが持続せず残念な部分もありました。

 

ですが、それでも面白かったのです。

主人公が危機を掻い潜りつつ核心に近づくのも良かったし、なにより演出がすばらしかった。

演他のアクション映画に比べるととても地味ですが、その分主人公の行動が意外なもので斬新に感じました。

例えば大使館の最上階の外に出たシーンで、屋上に上がろうとした際鉄製の踊り場が外れかかるのですが、そこにドン!と着地したのはびっくりしました。それで崩れ落ちるような演出がないのですが、こちらのほうがもしかしたらリアルなのかも?

その後壁と屋根を使って地面まで降りるのですが、これもじっくり、体ひとつで降りていきます。ワイヤーと拳銃で滑り降りるような演出ではありません。

最後、死体をクッションに落下するシーンも、ドンと落ちた後は普通に声も出せないように痛がり、痛みをンッとこらえて立ち上がるのですが、派手に演出せず上からの固定の絵で、「普通こうだよな」と思わせてくれます。

まぁ実際にやったら、もっとダメージ大きいのでしょうが。

 

戦闘シーンもかっこよかったし、私は好きな映画でした。

続編は録画していなかったのですが、必ず借りて見ようと思いました。