他力と自力と

家事と育児に追われるおじさんの、日記代わりの備忘録です

捨てることで蓄積できるもの

少しでも惹かれるような写真が撮りたいと毎日通勤時にカメラを持ち出していますが、これがなかなか上達しません。しかも近頃、上級者の写真を多く観て少しは目が肥えてきたのか、自分の写真が色あせて見えるようになりました。

 

さてどうしたものかと考えていたところ、少なくとも自分の中では確実に積み重ねを実感できている方法があったのでご紹介します。

 

その方法は簡単!「写真を捨てること」。

写真をPCに取り込み、私の場合はキヤノンさんのDPPというソフトで確認するのですが、その時にイマイチな写真をガンガンと捨てることにしたのです。

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・・って当たり前のことかもしれないのですが・・。

私はこれまで撮った写真から気に入ったものをピックしてこちらのブログにアップする、という運用でした。それを転換して気に入ったものだけを残してそれ以外は削除するように変えたのですが。

これによって気づきが沢山生まれるようになったのです!

 

何が変わったかというと、まず、明らかにダメな写真もしっかりと見て削除するようになりました。

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こういう箸にも棒にもかからないような写真(苦笑)。

 

これまでであれば見向きもしなかった写真でしたが、一枚一枚認識して削除するようになりました。これによって「こういう写真って駄目なんだな」という蓄積ができてきた気がします。

削除するってそれなりに心には抵抗があるので、本気度が増すんですね。

 

自分の中で消すかどうか迷う写真は、更にじっくりと確認します。大抵そういう場合は消す方向になるのですが、このときに消すと判断する理由に気付くようになったんですね。

 

例えばこちらの写真。

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つまらない写真なのはアレとして、この写真って(ブログ用に圧縮しているので分かり辛いかもしれませんが)拡大するとピントの位置が左奥の花びらと、茎(?)のような部分に来ているのです。こういう場合は花の全体にピントを合わせる方が、落ち着いた写真になる気がします。

また色の配置がつまらないなと。撮影時に気を付けた通り一応白い花びらは諧調が残っていると思うのですが、緑の中の白一点って単純に撮ると退屈な写真に感じます。そこにしか意識が無かったということですね。

 

このような点に気付いて削除する経緯の中で「どこが良くないのか」「こんな時はどうすべきか」というパターンの蓄積が少しずつできてきて来た気がするのです。

 

また、同じ場所で複数撮った場合は「比較」ができます。

例えば同じ場所で撮った二枚の写真。

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左端に注目いただきたいのですが、桜の花が始まる位置によって写真の印象が違います。

一枚目は高い位置、二枚目は低い位置からピンクが始まっています。

これによって桜がより豊かに見えます。

2枚目は見上げるように撮ることを意識して中央部分の桜にしか意識が無かったのですが、比較することによって写真の端の入れ方で印象が変わるんだという気づきを得て、今後並木を撮るときの引き出しの一つになってくれるような気がします。

 

また、二枚目と比べると一枚目は奥にまで桜が続くように見えます。これを強調したい場合はもっとカメラを高く持って、その部分が伝わるようにすれば良いかもしれません。

そして撮影時には気づかなかった2枚目の左下の工事中の柵・・。次からはここにも気を付けないといけないですね。

因みにこの二枚は、のちに見返して気付けるように両方残しました。

 

比較をするということは、ここに挙げた以外でも本当に些細な事、例えば垂直や水平って大切だとか光の位置や構図のちょっとしたズレ、色味などの差に気付くきっかけになってくれます。

 

このように写真を捨てることを始めたことで、

・ダメな写真はどこがダメなのか、どうすればよかったのか

・比較することで2枚の差による印象の違いとそれをもたらした要因

について気付けることが増えました。これがじわじわと撮影の際にフィードバックされて、意識できることが増えてきている気がします。蓄積を実感できている理由です。

 

今は大半の写真を捨てているような状態ですが、今後残して良いという写真が増えていくことを目指せば、自分の技術も増えて行ってくれるのではないかと期待しています。

そしてそれに伴って、もっと自分の目を厳しくしていきたいと思います。

 

最後に、例外として家族の写真と街並みを撮ったような写真は失敗でも削除せずに残します。

これは今を捉えつつ、いつか懐かしむものになってくれる宝物ですので。

EOS Kiss X9i コンセプト変わってませんでした!失礼しました

約ひと月前、パパママ向けカメラEOS Kissシリーズの最新モデルである、EOS Kiss X9iの発売が発表されたばかりのころに、これまでとコンセプトが変わった!?というエントリを書いていました。

tarijiri.hatenablog.com

 

公開されている公式動画に、パパママ向けの要素が無かったためです。

 

しかし発売日を迎えた昨日、私が知っているだけでなんと5本もの(!)コンセプトに沿った動画が公開されていました。

www.youtube.com

そのほかはこちらから検索してみてください。

 

EOS Kissで検索してくださる方がいらっしゃるので、謹んで訂正させていただきたいと思います。EOS Kiss X9iもまた、パパママ向けのカメラでした!失礼いたしました。

 

これで終わってはなんなので。

検索してきてくださった、子供向けカメラの購入を検討しているもののカメラについて初心者の方(がいらしたら)に向けて、EOS Kiss X9iっていいカメラなの?ということについて私なりの感想を簡単に書いてみたいと思います。

私もど素人一般ユーザなのですが、キヤノンさんのプロ用の最上位機種と最も初心者向けの一眼カメラの両方を、毎日のように使って子供の写真を撮っている現役ユーザです。

 

私もまだ実際に触ったことがないので具体的な機能の良し悪しには触れられませんが、選びきれないほど沢山あるカメラの中でのこのカメラの立ち位置や特徴について、お伝えできると嬉しく思います。

 

EOS Kiss X9iってどういうカメラ?

 

 

最初に結論ですが、とっても良いカメラです!

写真も動画も画質が良く、しかも撮りやすいです。

 

スマホコンデジしか使ったことが無い初心者の方に向けた初めての本格的カメラの位置づけ、つまり入門機に当たりますが、そういった方が使ってカメラとしての性能面で物足りなさを感じることはほとんどないんじゃないか、とすら思うほど。

 

初心者の方でも簡単に、赤ちゃんやお子さん、ご家族の写真や動画をキレイに撮りやすいカメラだと考えています。

なぜ私がそう思うのか。具体的に特徴を挙げさせてください。

 

Kiss X9iの特徴

これまでのKissシリーズも、綺麗な写真が撮れる良いカメラでした。

X9iはその良さは引き継ぎつつ、さらなる特徴があります。

初心者向けという顔をしていて、実際に初心者のかたでも簡単に使えるような操作性も持っているのですが、実は中身は中級機と肩を並べるほどの性能に進化しているのです!

特にピントを合わせるのが非常に得意なカメラになりました。

 

例えばスマホで子供の顔を撮る場合、アプリを起動してモニタに顔を捉えてハイチーズ、とタッチすると思うのですが、実際には子供の顔がくっきりと写るまでに時間がかかりますよね?このくっきりとさせることをピントを合わせると言い、ピントが合わないとシャッターは切れません。

ピントが合うまでの時間がかかるため、シャッターチャンスを逃してしまうことはよくあると思います。

 

このピントをカメラが自動で合わせてくれる機能をオートフォーカスというのですが、この機能がこれまで以上に得意に、中級機と同等になったのです。

元々画質は良かったうえ、オートフォーカスの進化によって子供の躍動している姿や一瞬の表情を捉えるなど、従来は難しかったシャッターチャンスをカメラの力でより簡単に撮ることができるのです。

EOS Kiss X9iならではの先進機能|キヤノンEOS Kiss X9i

こちらが参考になります。

 

また、キヤノンさんのカメラは他社と比べても特に人を優しく明るく写すのが得意。お子さんを撮るのに向いている画質だと思います。

(逆に渋いものをカッコよく撮るには、他社機のほうが簡単だったりします)

 

一眼レフであること

EOS Kissシリーズのもうひとつの特徴は一眼レフ(いちがんれふ)という種類であることです。

 

一眼レフであるメリットは、軽快なレスポンスにあると思います。

ファインダーからのオートフォーカスは非常に早く、しかも瞬間的にシャッターを切れる。つまりX9iはオートフォーカス性能の高さをより活かせるカメラの形態なんですね。

レスポンスの良さから、個人的には一眼レフを使っているほうが気持ちがいいです(これ、いがいと大事な要素だと思います)。

 

一眼レフのデメリットとしては、やはり大きさ重さでしょうか。

とてもポッケに入るサイズではないですし、お子さんを抱っこしながら持ち歩くのも大変です。

 

今はミラーレス一眼という種類もあります。この二つの種類による画質に違いはありません。画質は一緒でミラーレスの方が小型・軽量になるので、画質はキープしたくてもサイズがネックであれば、「ミラーレス」で調べてみてください。

 

まとめ

まとめますと、私が考えるEOS Kiss X9iの特徴は、

・高い性能と一眼レフであることでシャッターチャンスに強い

・簡単に綺麗なお子さんの写真や動画が残しやすい

というものです。

 

お子さんの綺麗な写真や動画を撮りつつ、親の側も楽しさも味わえるような、良いカメラだと思っています。

EOS Kiss X9iの、カメラとしての立ち位置や特徴について私なりの考えを纏めてみました。何かしら参考になりましたら嬉しいです。

 

ついでながら、初めてカメラに興味を持たれた方にぜひ試していただきたいことがあります。

もしレンズ交換可能なカメラを購入されたら、ぜひ単焦点レンズ(たんしょうてんれんず)を使ってみて欲しいのです。

一眼カメラを持つ最大の喜びは、美しい写真が撮れること。キットで付いてくるレンズも良いのですが、単焦点レンズで撮る美しさはやはり格別です。

 

どのメーカーも安価でも綺麗に撮れる単焦点レンズを提供していると思いますが、キヤノンさんの場合はこちらがそれにあたります。 

私も気に入って使っているレンズです。

このレンズをKissに装着するとお子さんの顔のアップが撮りやすいですし、雰囲気のある写真が撮れると思います。せっかくならばぜひ単焦点レンズの写真の美しさを一度は味わっていただきたいと思います。

 

結局長文失礼いたしました。

 

カメラはともかく、お子さんの幼い写真沢山撮っていきましょう!

以前私なりの子供写真を撮る時の工夫を纏めたことがありますので、興味があれば是非。

tarijiri.hatenablog.com

 

 

自分の写真のブレが気になります

写真の趣味が高じて家族写真以外にも毎日カメラを持ち出して撮っているのですが、自分の写真がつまらなく思えるようになってきました。

 

写真を見返すと構図もダメ、露出も光もダメ、ピントもダメ。

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つまらない写真・・。

 

こんな私でも色々な作例に触れる中で少しずつ目が肥えてきたのでしょうか。これはもしかしたら成長過程なのかもしれない・・とも思いますが、とにもかくにも頑張りどころのようです。

 

センス的な部分は時間をかけて磨くしかないと思うのですが、そもそも技術的な問題も強く感じるようになってきました。

それは、カッチリとした写真が撮れないということです。

どうしてももやっとしてしまう。

 

特に最近気になっているのが「ブレ」。

手ブレは撮影時には一応気にしているのですが、PCに取り込んで等倍で観るともやっとしているのが多すぎまして。もちろん等倍で観る必要なんて今は無いのですが、将来的にもし本当に8Kとかの16Kの時代が来た時にも耐えられる技術を身に着けたいのです。

 

本当にがっかりしたのが、こちらの写真。

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これはEOS 1DX Mark2+EF70-200 F4.0 Lで撮った桜の写真です。焦点距離は93mm。絞りはF4、シャッタースピードは1/400、ISO100です。光を浴びて綺麗な桜を撮ったのですが・・。

 

真ん中にある柱(水平取れてないのは目を伏せていただいて)を拡大したのがこちらです。

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1/400でこれです!しかもレンズのISを使って、重い1DX2を構えて。

これは酷いですよね。

 

そして先日家族で動物園に行って撮った写真です。

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EOS M5+EF-M 55-200mmでF6.3/シャッタースピード1/320です。一見毛並みとかしっかり解像しているように見えますが・・

 

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よく見ると主役の顔はもやっとしていて、手前の草にピントが来ていているうえ、全体的に微ブレしているように見えます。

EOS M5は小さいので全方位的に多点で支えてブレを押さえているつもりなのですが、慣れない望遠を使うとこの有様。

 

そして同じ組み合わせで撮ったこのレッサーパンダくん。

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もう右手がブレているのはこの時点で分かりますが、拡大すると・・ 

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これは被写体ブレですよね。

EF-M 55-200mmで動くものを撮ったのが初めてだったのですが、このレンズは暗いため、絞り優先で撮ってしまったこの写真はシャッタースピード1/250でした。

ちゃんとこういうところも意識しないとカッチリした写真が撮れないわけですから、動物さん撮るのも難しいものですね。。

 

手ブレ、被写体ブレと作例(?)を挙げましたが、こんな写真が気になるようになってきました。勿論ほかに課題はあるものの、最低限しっかりと止まった写真を撮れるような技術をより意識して、これからは取り組みたいと思います。

そのうえで今年のテーマとしている「意図のある絞り値」で、カッチリの範囲も表現できるようになりたいです。

 

因みに、以前こちらに書かせていただいたのですが

tarijiri.hatenablog.com

もう一つの写真ブログのカウントが999になるまでは他の機材には手を出さずにEOS 1DX2とM5(時々は初代M)で撮ってくと決めています。この期間は手持ち機材の特徴や得手不得手も利用しながらこれらの課題を克服していきたいと思います。

 

ピントが合っている場所もいまいちカリッと撮れないのも、ローパスフィルターのせいにはしないもんね!

カッチリした写真を撮るコツを見つけることができたら、またご報告します。

「SING シング」 感想 ネタバレ

音楽映画なのに、吹き替え版も素晴らしい映画でした!

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監督:ガース・ジェニングス

2016年:米国

 

※以下ネタバレありなので、ご注意ください。

 

長男の春休みの小学校1年生最後の日、有休をとって長男と二人で映画を見てきました。

長男と男同士、初めての鑑賞であったということで、忘備録として感想を纏めておきたいと思います。

 

トレイラーとあらすじ


Sing TRAILER 1 (2016) - Scarlett Johansson, Matthew McConaughey Animated Movie HD

 

倒産寸前の劇場の支配人のバスター・ムーンは、起死回生の策として賞金をかけた歌のコンテストを企画する。募集チラシに賞金額を間違って印刷してしまったため多くのオーディション参加者が集まった。

賞金の目途すら立たないまま行われたオーディションで参加メンバーは決まったが、それぞれが問題を抱えて十分な練習ができない状態。

それでもムーンは前向きにコンテスト実行に向けて奔走するが・・。 

 

小1対策

私はできるだけ予告編などを観ずに予備知識ゼロで観たいのですが、登場人物を見ているとちょっと子供には難しそうかな、と感じました。そこで長男のために、キャラクターを見慣れさせたり、映画の見所も把握させてあげようと考えて何本もの予告編を一緒に見ていました。

とはいえ108分もの映画。大人にとってはちょうど良いぐらいかもしれませんが、子供にとっては長すぎます。途中で出てくることも覚悟のうえで鑑賞しました。。

 

また、私はできるだけ字幕版で観たいのですが、もちろん今回は吹き替え版の鑑賞です。

 

動物たちの群像劇

映画はそれぞれに葛藤を抱えた動物たちの物語が描かれる、群像劇でした。

主人公に当たるのが、劇場支配人のバスター・ムーン(コアラ)。父の作ってくれた劇場を経営していますが、経営的には絶望的な状況。

主婦のロジータ(豚)は25人もの子供と家事に追われるだけの毎日。夫も仕事が忙しそうで話も聞いてもらえません。

ギャングのボスの息子のジョニー(ゴリラ)は犯罪を手伝わされていますが、本当は歌が好きでバラードを歌っています。

アッシュ(ハリネズミ)は自信過剰でアッシュを舐めている彼氏に気を使い、自分の音楽を表現できずにいます。

そして圧倒的な歌唱力を持つものの自信が持てず自己表現ができないミーナ(象)。その実力を知る家族の期待に応えられないことも彼女を苦しめています。

 

そんな彼らが、失いかけた自分を取り戻し、劇場で発露するまでを描く物語です。

王道的な群像劇だと思います。

 

音楽の力

この映画では、洋楽を知らない人でも聞いたことがある曲からオリジナルまで、そしてオペラからR&Bからロックまで沢山の音楽が流れます。

これがCGの愛くるしさと相まって本当に上がるんですね!

そして曲とストーリーとリンクしているのがまた上手くて。

 

私はこの映画で散々泣かされたのですが、よくわからない音楽の力で持っていかれたのが大きかったと思います。

 

日本語版の素晴らしさ

今回は吹き替え版の鑑賞だったのですが、まずその丁寧な作りに驚かされました。

 

この映画の最大の特徴である歌ですが、アニメの口の動きは英語版には当然合わないわけですが、この日本語訳が驚きでした。意味を合わせるのは当然としても、その中でできるだけ英語の口の動きに合わせた日本語を選んで当てているんですね。口を大きく開けているシーンでは、日本語でも大きく開ける言葉を歌っていることになり、違和感がが無いのです。

歌詞がこんなに丁寧に作られている時点で、応援しながら見てしまいました。

 

物語の中では「感動させられるほどの圧倒的な歌唱力」とか「クズ野郎だけど歌のうまさはやっぱり本物」などの、歌唱による表現が必要だったと思うのですが、それも日本人の歌い手の皆さんのスキルで見事にあらわされていました。

各キャラクターの声優さんに関しては是非こちらでご覧ください。

 

主要キャラに本職の声優さんは少なかったようですが、私は全く気になりませんでした。配役も良かったのだと思います。

 

不意を突かれた点

バスター・ムーンは劇場の支配人として、刻々と悪化する状況に大してポジティブに前向きに対処しようとします。ただこの行動や状況への感受性の低さが狂人レベル!よくあるギャグ映画の典型的なキャラクターではあるものの、その対象が経営という現実的なものであるため反感を買うことも多いかと思います。

 

ですが、これは洗車の仕事で自分のために劇場を作ってくれた大好きな父親の、「怖がっちゃいけない」という言葉を頑なに実行してきたから、ことが分かります。

その証拠に劇場が崩壊したときに、ついに彼の心が折れて自分がいかにダメかということを口に出すようになっていました。

 

でもこの言葉を人前で歌えないミーナにも伝えていたことで、まわりまわって自分に届いて、素晴らしいステージを自分の手で再建するのです。

 

このエピソードは不意を突かれてしまいました。

 

洗車シーン

これだけは書きたかった。予告編にはミスリードがあります。

例のコアラの洗車シーン(こちらの吹き替え版の予告で観られます)、

www.youtube.com

これだけでも笑ってしまうシーンだったわけですが、映画を見ると全く違う印象のシーンでした。

どん底の男が必死にもがき始める、そしてそれに仲間も呼応してくれる、最強の号泣シーンだったのです!

 

こちらも不意を突かれて、重くてでも楽しくて心地よい涙がドバーッと。

このシーンをみるだけでもこの映画を観る価値があると思います!

 

掘り下げ不足

ここまで絶賛してきましたが、正直108分の群像劇では掘り下げ不足に感じるところも多々ありました。

・ゴリラのジョニーの父親の心変わりって簡単すぎね?

・グンターさんには背景なし

・イカのみなさん亡くなったよね?

・そもそも、なんでみんな圧倒的なスキルを既に持っていたの?

・バスター・ムーンも才能を観つける目を持っていたのに、なんでこのありさま?

などなど。

あと、ネズミが最後までクズであるのに明確な報いを受けていないところも、物足りなくなる感じるかもしれません。

 

ただ、こういう点を割り切って観れる方であれば、楽しめると思います!

 

不思議な感動

私はこの映画を観て、もう散々泣きました。首のあたりまで涙は流れ、見終わったとは目が真っ赤。

 

でも嗚咽っていう感じではなかったんですよね。隣に子供がいるので声を殺したのは先の洗車シーンぐらいのもので、あとはよくわからない感動によって泣かされました。

 

先に書いたような音楽の力もあれば、もちろん立場のある大人だから感じる葛藤を乗り越えるようなわかりやすい感動要素はあります。でも私は、いずれもこのコメディや世界観の楽しさを最前面で感じることができたのかもしれません。

この映画を観ている時間、とても楽しかったのです。

 

まとめ

私は笑いながら涙を流すという個人的には最高の経験をさせてもらいました。

でも、長男にはちょっと難しすぎたようです。楽しかったとは言ってくれましたが、ちょっと集中力が無くなっていたり私のように涙は流していなかったようです。ただ私としては、先日家族全員で行ったドラえもん映画よりは、長男と二人きりということで映画をより集中して楽しむことができました。

また好きな映画を観られる機会も増えそうです。

 

音楽やアニメを楽しめる年代の子供はもちろん、日々を忙しく生きている大人まで楽しめる映画だと思います!